末っ子の闇。～俺ら4人で光をあげる～ PART７ (ページ44)

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潤side

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――お父さん達が来てからの２週間、あまり覚えてない。

どうやって過ごしたのか、にぃ達と何を話したのか。

にぃ達が支えてくれたのは、なんとなく覚えてる。

でも・・お父さんに言われた３週間後まで後５日。

昨日まではまだぼんやりした感じだったけど、
ここまでくるとね、嫌でも意識がはっきりしてくる。

『誰にもしゃべんじゃねーぞ』

『１人で来い』

『"にぃ達"に迷惑掛けたくなかったらな』

蹴られる痛さ、２人の笑顔、声・・鮮明に浮かんでくる。

そうするとね、もうダメだった。

過去の記憶も一緒に蘇ってきて、呼吸が苦しい。

「んっ、ん・・っ、ん・・」

翔「じゅん・・？」

隣に座ってた翔にぃにしがみつく。
翔にぃは俺の顔を覗き込んで「過呼吸だ」って呟く。

翔「すぐ楽になるからね・・苦しいね、大丈夫・・」

ぎゅうって抱きしめてくれて、呼吸法を教えてくれる。

苦しくて苦しくて、怖くて。
過呼吸が収まっても、翔にぃの胸にピタってくっついた。

翔「ふふ、甘えん坊さんだ」

翔にぃは優しい手で、背中をなでてくれる。

・・昨日から、翔にぃ大学休んでる。なんでだろ。
でも智にぃもお家いるから、単純に休みなだけなのかな？

・・なんでもいいや。２人いてくれたら、安心する・・。

「・・とり、しない・・？」

翔「うん、しないよ？傍にいるからね・・？」

分かってる、５日後に、俺は黙って家を出なきゃいけない。

１人にならなきゃいけない。
でも・・それまでは、１人じゃないって言ってほしい。確認したい。

「・・と、ぃは？」

声が上手く出ない。というか、出せない。
でもにぃ達は絶対にわかってくれる。

翔「智にぃはね、イスに座ってるよ？」

俺はくるって後ろを向く。
すると智にぃはイスに座って俺の事をじっと見ていた。

・・・智にぃ、どうして傍にきてくれないんだろう？

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翔side

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和「お風呂終わった～」

潤「・・わったー・・」

雅紀「こっちおいで～！頭拭いてあげる！」

双子が揃ってお風呂から出てきた。
今のところ和と雅紀は智にぃの事を理解してる。

でも潤は、まだ気づいてないみたいだから。

雅紀が潤の頭を「ぐしゃぐしゃ～！(笑)」て拭いてくれてる間に・・。

「智にぃ？お風呂行こ」

俺は小声で智にぃを誘う。
１人にするのは心配で、昨日から一緒に入ってる。

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