末っ子の闇。～俺ら4人で光をあげる～ PART７ (ページ32)

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翔side

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腕の中で眠る潤を着替えさせようと、
顔を拭いてあげてる途中に耳に飛び込んだ先生の言葉。

『入院させたいレベル』

そんなにも、潤の心は苦しい状況なんだね・・。

先「言葉が上手く出てこないのは問題ないよ？

精神的に辛い事があって言葉が出ない子はいるし、

周りからのフォローと本人の意思で、治る子もたくさんいる」

言われるのをなんとなく分かっていたはずなのに、
緊張しながら先生の次の言葉を待つ俺ら。

潤を包んでる手に、ぎゅうって力が入る。

先「でも潤君は、ご飯と飲み物もあまり受け付けないから健康面も心配。

それに本人が薬に頼りたがり始めてるから薬の乱用もあり得る。

目を離すと何をするか分からないから、監視が必要になる」

言ってる事は厳しい。
でも、その言葉には優しさが感じられて・・。

先「常に誰かが見てないといけない。それが出来る？」

智「・・大丈夫です」

先「本当に？」

智「・・っ」

智にぃは、ぎゅって唇噛み締めて俯いた。

そう、だよね・・。
一番大事なのは潤を守ること。

『潤をずっと見ている必要がある』
そこまで先生が言ってるのに、俺らだけで見きれるか・・。

潤が危ない目に確実に合わないためには、入院の方がいいんじゃないか。

智にぃは今、頭の中でいっぱい悩んでる。
潤を守るには俺らが学校を休むしかない。
でもそんな事させたくない、でも自分１人で守りきれるのか・・？って。

先「今の潤くんを入院させるのは、難しいとは思う。

もっと不安定になっちゃうしね？

でも身体面では入院の方が確実に安全だよ」

「どうしようか？」って俯く智にぃを覗き込む先生。

そのまま悩む智にぃ・・。
その時俺の腕の中で潤が「んぅ・・」って顔を歪める。

「じゅん・・？」

起きちゃったのかと思って、覗き込む。

すると少しだけ目を開けて安心したように、
潤は「くふっ・・」て笑って、擦り寄ってまた目を閉じて眠る。

その様子を見てた智にぃは、決意したように先生を見つめて・・。

智「大丈夫です。潤を守れます」

そう伝えた。

その後先生は薬の説明をしてから、帰る事に。
お礼を言って見送っていると「翔くん？」って近寄ってきて。

先「智くんの事頼むな？」

潤じゃなくて、智にぃ？
不思議に思ったけど先生の真剣な瞳に聞き返す事ができなくて。

「はい」って頷いたんだ。

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