末っ子の闇。～俺ら4人で光をあげる～ PART７ (ページ29)

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翔side

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雅紀が帰ってきて、いつもなら一目散に
潤の所にくるのに今日はすぐにキッチンの智にぃのところへ。

潤「まー・・？」

「雅紀ね、智にぃとお話してる。すぐ来るよ？」

潤が不安そうに、小さい声で雅紀を呼ぶ。
するとすぐに智にぃがリビングを出ていき、
すっかりいつも通りの和を連れて、雅紀はソファへ来る。

雅紀「ふふ、潤ちゃんたっだいまー！」

潤「っ、にぃ・・っ、りっ・・」

雅紀「あ～、まだぽかぽかしてるね～」

潤のほっぺを雅紀が触ると、潤は嬉しそうに目を細める。

智「じゅーん？」

潤「・・？」

廊下から帰ってきた智にぃは
ふにゃって笑い、しゃがんで潤と目線を合わせる。

智「今ね、先生が来てくれてるんだけどさ、会える？」

潤「・・っ！」

潤は途端にぎゅーって俺の服を掴んで、嫌々と首を振る。
「・・っだ、こっ、っいー・・」って目をうるませて拒否。

智「大丈夫。どこにも行かないから。ね？」

「病院連れてかないよ？お家いれるから、ね？」

潤と離れない、どこにも連れてかない。そうたくさん伝える。
すると微かにだけど潤が首を縦に降ったから、智にぃは廊下へ。

ぎゅうって抱きしめても、カタカタ体が震える。

先生を怖がるなんてこと、いままでなかったのに・・。

先「こんばんはー」

にっこりしながら、ゆっくり部屋に入ってくる先生。
俺は震えながらしがみついて、顔を隠す潤の背中をゆっくりさすった。

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智side

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学校から帰ってきた和の様子が変だから、
部屋へ行く小さな背中を追って、一緒に部屋へと入る。

和は驚いた顔をしたけど、すぐに顔を歪ませて、涙をためる。

「おいで？」

腕を広げると、ゆっくり入ってきて・・。
『じゅんくん』ってポロポロ泣き出す。

和「なんで？ちょっと前まで、元気だったのに」

「ん、そうだね」

和「俺、じゅんくんに笑ってほしー・・っ」

「そうだね、俺もそう思う」

潤が不安定の時、和も不安定になる。
でも今回は元気に振舞ってくれてるから気にしてたんだ。

やっぱり、辛かったよね・・。

俺は泣き続ける和を落ち着かせる。

和「潤くんとこ、行く・・」

「ん、行こっか？」

目が赤いままだけど、少し笑顔を見せる和。
和も壊れないようにきちんと気を付けなくちゃ。

２人とも、俺たちで守らなきゃね。

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