末っ子の闇。～俺ら4人で光をあげる～ PART７ (ページ17)

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潤side

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「あーもうぐったりじゃない。手加減してあげて？」

「ふん、顔は無事だからいーだろ別に」

「まぁね♪んー、やっぱかっこいいわ」

ぼーっと霞む視界の中に、りえさんの顔が映り込む。
すると、聞くだけで吐き気がする唇が頬に当たる音が頭に響く。

知らない間にポロポロと涙が流れるが、声が出せない。

心臓が、痛いくらいに騒いでるのに、体が動かないよ・・・。

「おい、お前の部屋どこだ？」

「っ・・んっ・・」

「どこだって聞いてんだよ！」

ダンッ！て床を殴られて、体がビクッて跳ねる。
俺は必死に声を出して掠れる声で「っ・・に・・か、ぃ・・」って呟く。

「来い！！」

「っ！」

グッて腕を引っ張られて、無理やり立たせられ、
痛む体をほぼ引きずられながら２階に連れて行かれる。

「おい、どこだよ」

睨まれた視線で体がビクッとする。

ガタガタ震える腕を上げて部屋を指差すと、お父さんは
すぐそのドアに向かい、開けて中へ俺を投げ入れる。

自分の部屋に、２人がいる・・・。

その事実に自分の部屋がものすごく怖い場所に見えてくる・・。

「絵本にパズルに、小説。あら？枕が２つ・・」

「あ？なにお前、まだ家族でもねぇ奴らに迷惑かけてんの？」

お父さんが鼻で笑いながら、また俺の前髪を掴む。

俺はもうどうしたらいいかわからず「にぃ」って呟く。
そのつぶやきで、お父さんの顔が楽しげに歪む。

と思ったら、次の瞬間には俺を睨みながら大声で怒鳴る。

「いいか？お前はみーんなの人生むちゃくちゃにしたんだ。

にぃなんて呼ぶ資格ねーの。そのこと分かってんのか？あぁ！？」

違う、違う、もう、お父さん間違ってるもん・・。
にぃは家族だって伝えてくれた、いっぱい伝えてくれた・・！

ごちゃまぜになって、また間違えそうな自分に向かって心で叫ぶ。

信じちゃだめ。俺は、にぃ達を信じるの・・。

「ははっ・・いい顔だな」

「え～イケメンが台無しじゃない」

「ねぇ？」って微笑みながら、りえさんが傍にしゃがみこむ。
そして、俺の前に一枚のメモをちらつかせる。

「ここに、場所書いてあるから。３週間後、ここに１人できて？」

「１人で、だぞ？誰にもしゃべんじゃねーぞ。"にぃ達"に迷惑かけたくなかったらな」

「にぃ達」をあえて声を大きくするお父さん。
俺は必死に頷いた。涙も、震えを止まらないまま・・。

「じゃ、また３週間後に」

その言葉を聞いて、意識を手放した――。

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