末っ子の闇。～俺ら4人で光をあげる～ PART７ (ページ14)

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智side

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潤「ん・・」

智「あ、起きた？」

潤「・・ふふ、おきた・・」

和と並んでぐっすり眠れてた潤。
さっき一足先に和は起きて、雅紀と一緒に
気分を変えるためにお風呂に入りに行った。

目が覚めた潤は何だか機嫌が良さそう・・。

良かった・・夢見ちゃうかな？って悩んだから。

潤「・・かずにぃ？」

智「和は雅紀とお風呂行ったよ～」

潤「翔にぃ？」

智「翔はね、夕飯の支度してる」

潤「ふ～ん・・」

コロンって転がって傍に座る俺の膝に頭を乗せる。

そのまま頭を撫でて額に手を当てると、
「冷たくてきもちい」って潤は満足そうに笑う。

潤「・・とにぃ？」

智「ん？」

潤「俺・・熱、あったら・・ごと、行かない・・？」

智「・・」

潤「・・んてね、嘘だよ？分かってるもん・・」

体を起こしながら悲しそうに小さく笑う潤。

「仕事行け！」って怒ったり「行かないで？」って泣いたり・・。
自分で自分の気持ちについていけなくて苦しむこの子に、何て言えばいい？

「ごめんね」って言うのは間違ってる。
俺らが謝れば潤は絶対「にぃは悪くない」って言う。

実際、さっき思わず苦しむ和に「ごめんね」って口走ったら、
和はすぐに「にぃ悪くないよ？」って言ってくれた。

ちゃんと潤と向き合いたい。だけど正解が分からない・・。

智「じゅん・・」

ぎゅって抱き寄せたら、潤もぎゅってくっつく。

潤「俺、だいじょうぶ。だいじょうぶ・・」

智「ん、潤は大丈夫だよ・・」

小さく震える潤の身体。それを隠すように笑う潤。

潤「智にぃ、一緒にお風呂入ろ？」

智「いいよ？髪も乾かしてあげる」

潤「ふふっ、やった！」

不安定だった潤の心が、落ち着いてきたみたい。

雅紀「あっがりましたー！！」

雅紀の元気な声がリビングに響いた。

潤「智にぃいこー？」

智「そうだね～」

ちょっと赤い潤の大きな瞳。

ごめんね？潤。あと一ヶ月だけ待ってね？
そんな謝罪の言葉は心の中だけで呟く。

周りの子より軽くて小さくて、甘えん坊で守ってあげたい存在。

俺はもう一度潤をぎゅってしてから一緒に立ち上がり風呂場へ向かった。

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――でも、この時の潤の異様な不安が、

今後の悪夢のような出来事を、予知していたのかもしれないね。――

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