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〜A〜
どこだろここ
真っ暗で何も見えない
体は……動く
道はなく、どこに続いているかも分からないけど、進むしかない
時間の感覚が分からない
ただひたすら真っ直ぐ歩く
私は誰で、どこに向かっているんだろう
独りが寂しいわけではないけど、周りには人がいないことが不思議で違和感
この暗闇の先に私が何者かの手掛かりてあるのかな
『××××』
「??」
誰かの声が聞こえた気がしたけど気のせいか
何も考えずにひたすら歩いていると大きな扉の前に辿り着いた
押しても引いてもビクともせすわ、もちろんスライドでもない
鍵穴もないから鍵がかかってるわけでもない
開くまで待とう
扉の前に座った
ずっと同じ体勢は疲れるから、たまにゴロゴロする
暇だな。こんなとき××××がいたら
今、誰の名前を呼んだ?
もしかして私
「何者か分からないんじゃなくて、何者だったのかを忘れてる?」
頭の中で
そこには顔がモヤモヤと消されたたくさんの人が私の周りにいてくれている
中でも1人だけ胸が締め付けられる存在がいて、愛おしいと感じてしまう
ある一つの記憶を見入った
海で溺れたか何かで、人命救助されている私
人工呼吸をしてくれたその人は、“そうだったらいいな”と思っていた人
※42
手を伸ばしても届くわけもなく、私は…………
あの人の元に帰りたい
【殺したくせに?世界のルールに反したお前がここを出られるわけがないだろう】
低く殺意のこもった声に振り向けば、赤黒い目が私を凝視していた
【この瞬間を待ちわびたぞ。ようやくお前を我が手中に収めることが出来た】
この目は何を言っているの
私を求めてたってこと?
意味が分からない
黒くヌルッとした手のようなものが頬に触れた
全身に恐怖が這う
死ぬことよりも怖い
『A』
私を呼んでくれる声は、私が好きだと言ってくれるような気がして……
ああそうか。私、××××のこと好きだったんだ
自覚し、
赤黒い目は驚いているのかカッと見開いていた
そのまま吸い込まれて目を開ければ眩しい光に目を細めた
私を見つめる4人の顔は心配していて、私の目が覚めたことに安心していた
意識がハッキリしてきて、誰がどこにいるのか確認した
その人を見つけては手を掴んで「好き」と伝えた
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まゆ(プロフ) - さくらさん» ありがとうございます!ようやく完結の目処が立ってきたので、このまま一気にゴール……出来たらいいなと思ってます(><) (2022年10月10日 19時) (レス) id: ee04455451 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - 初コメ失礼します!この作品面白くてつい一気読みしちゃいました!更新頑張ってください🔥楽しみに待ってます! (2022年10月10日 12時) (レス) @page18 id: 2a8d4606f0 (このIDを非表示/違反報告)
chiotea(プロフ) - 続き楽しみにしています。 (2022年3月20日 1時) (レス) id: 41baf9785a (このIDを非表示/違反報告)
まゆ(プロフ) - おさばさん» コメントありがとうございます!!最近は更新ができなくて申し訳ないです(><) (2021年2月22日 7時) (レス) id: 8902c85bfe (このIDを非表示/違反報告)
おさば(プロフ) - 初コメ失礼します!すっごい面白いです…!!更新楽しみに待ちます!無理はなさらず…! (2021年2月22日 1時) (レス) id: 1de1f7238a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まゆ | 作成日時:2018年7月7日 22時