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〜A〜
体育から戻ると数十件のメッセージが届いていた
既読がつかない事と返事がない事に相当苛立っている
機嫌を損ねる訳にはいかない
吉良《どうしたんだい。わたしに急用かな?》
感情のこもっていない声
言い訳、のつもりではなく授業だったと本当のことを言えば納得してくれた
見えない鎖に縛られたように心が重い
どこからこんなにも狂ってしまったんだろうか
仗助「A?大丈夫か?」
「大丈夫だよ。それとね。今日から吉影さんと帰るから」
仗助「っ……なん、で…だよ。だってA。アイツに酷いこと……されてるんだろ……?」
「そ、そんな、こと……ないよ。ちゃんと私のこと愛してくれてるから」
仗助「だったら何でそんな……辛そうな顔してんだよ。本当は嫌なんだろ?俺も承太郎さんも…まぁ露伴も絶対にAを助けるから」
「大丈夫だから!!」
私のせいで大好きな人が傷つくのは見たくない
「だって、ね……機嫌さえ損ねなかったら本当に優しいの」
仗助「んだよそれ!どうしてAがあんな変態野郎のためにご機嫌伺いして、ビクビク生きなきゃいけないんだよ!?おかしいだろ!!」
でもね、私が我慢するだけで救える命があるんだよ
そう言いたかったけど、責任とか、そういうのを背負って欲しくないから口を閉ざした
全部、私が決めたこと
誰にも関係ない
吉影さんの良いとこはいっぱい知ってるから、そこを好きになればいい
ほら、大丈夫。問題なんてない
はずなのに……
放課後になると承太郎さんが門にもたれかかっていた。露伴先生まで
露伴「ここは目立つし場所を移さないか」
「いえ。私は……」
ここにいないといけない
吉影さんが来たとき、私がいなかったら怒る
承太郎「まぁ最も、お前の意見は聞いちゃいねぇがな」
「え、ちょ…じょ、たろ……」
力で適うはずもなく、そのまま引っ張られる
時間までに戻ってくればいいとか、そんな話しじゃない
学校にいるはずの私が外から走って来るのはおかしい
帰る前に他の男の人と会っていたと知れたら、私の前からみんながいなくなる
想像するだけで胸が痛い
露伴「まだ何も聞いていないのに手を離してやると思うなよ」
仗助「言ったろ。助けるって。だからちゃんとAの言葉で言ってくれ。助けて欲しいって」
駆け巡るのは楽しかった思い出
これらを本当の“思い出”にしたくない
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まゆ(プロフ) - さくらさん» ありがとうございます!ようやく完結の目処が立ってきたので、このまま一気にゴール……出来たらいいなと思ってます(><) (2022年10月10日 19時) (レス) id: ee04455451 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - 初コメ失礼します!この作品面白くてつい一気読みしちゃいました!更新頑張ってください🔥楽しみに待ってます! (2022年10月10日 12時) (レス) @page18 id: 2a8d4606f0 (このIDを非表示/違反報告)
chiotea(プロフ) - 続き楽しみにしています。 (2022年3月20日 1時) (レス) id: 41baf9785a (このIDを非表示/違反報告)
まゆ(プロフ) - おさばさん» コメントありがとうございます!!最近は更新ができなくて申し訳ないです(><) (2021年2月22日 7時) (レス) id: 8902c85bfe (このIDを非表示/違反報告)
おさば(プロフ) - 初コメ失礼します!すっごい面白いです…!!更新楽しみに待ちます!無理はなさらず…! (2021年2月22日 1時) (レス) id: 1de1f7238a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まゆ | 作成日時:2018年7月7日 22時