4人のスタンド使いに惚れられた女の子 第3部

116 ページ16

〜吉良〜



吉良｢ふぅ。すごく良かったよ。このお返しは帰ってからするからね｣


｢は、はい。あの、帰りは……｣


吉良｢迎えに行くよ？定時に上がるとして、うーん。そうだな。17時30分頃に門で待っててくれるかな｣


これから残業は断らないとな


本当はAを先に帰して、エプロン姿で｢おかえりなさい｣と言って欲しいのだが、わたしの留守中に男に上がり込まれるのは困る


押しに弱いAは流され身体を奪われる可能性もゼロではない



わたしが守らねばならないのだ


薄汚い連中から




Aと別れると会社に戻らなければならないことが憂鬱だった


男｢おいオッサン。今さっき女子高生とあそこの便所から出てきたよなァ？｣


男2｢いかがわしい事でもしてたってか｣


うるさいゴミ共め


金を払えばAと関係を持てるなどと穢らわしい考えを持ったゴミをキラークイーンで吹き飛ばして会社に戻った



会社の女の子達に声をかけられるのが煩わしい


Aは今頃、勉強に励んでいるのだろうか



メッセージを送っても既読さえつかない



わたしを無視するなんていい度胸だ


あんなにも深く愛したというのに、わたしの愛が完全には伝わっていない


帰ったらまた愛してあげないと



身体の奥の奥まで、しっかりと刻み込むように




ん？電話？


コールが長い


留守電に繋がると再びかかってくる



トイレに行くフリをして電話に出ると焦った声でわたしの名を呼ぶ愛しい声が聞こえる


吉良《どうしたんだい。わたしに急用かな？》


《吉影さんがメッセージくれていたので》


吉良《その割にすぐに返事をくれなかったね》


《ご、ごめんな、さい。さっきまで体育で……。携帯は更衣室に置いてて》


吉良《あぁ……だからか》


体育(その)可能性は考えなかった


確かめもせずAの愛を疑ってしまったことに心が痛んだ



時間割は把握しておかないとな

また今日みたいに誤解してしまう


吉良《特に用はないんだけどね。Aが何をしているのか気になっただけだよ》


《学校で授業受けてますけど……？》


吉良《それは分かってる。そうじゃなくて……。いや、まぁいいか。こうして声も聞けたことだし》


《あの吉影さん！》


吉良《何だい》


《いえ。何でもないです。お仕事頑張って下さい》


吉良《その言葉でやる気が出たよ。じゃあまた後で》


声を聞いただけで寂しかった心の穴が埋まった


明日からは休み時間毎に電話をするか

117→←115

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す