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〜承太郎〜
Aが俺を選んだあの時点で、俺がAの側を離れるつもりはない
仮に花京院に想いが傾いたとしても、離れてやるつもりもなければ、俺はA以外の女を好きになるつもりもない
承太郎｢高校を卒業するまで待つ。その後は俺について来る気はないか｣
｢杜王町を出るってことですか？｣
承太郎｢嫌ならいい。ただ俺は、いつまでもここに滞在出来なくてな。Aにまとわりついていた不穏な影も消えた。もう何も心配することはない｣
｢遠距離になると、どのぐらいの頻度で会えるようになりますか｣
承太郎｢会うだけでいいなら毎日でも。Aが時間を気にしないなら夜中にでもビデオ通話するが｣
｢直接は……難しいですか｣
承太郎｢月に一度だな。ただ、約束は出来ない｣
絡めた指に力を入るのが分かる
小さなこの手を引いて連れて行くのは簡単だが、なるべくAの意志を尊重したい
｢迷惑じゃないなら一緒がいいです。おばあちゃんもいないから、本当は実家に帰らないといけないんですけど、高校はこのままこっちで卒業する予定で、その後も私のしたいようにしていいって言ってくれてるから｣
承太郎｢そうか。なら高校を卒業したら結婚するか｣
｢…………え！！？｣
承太郎｢俺はそのつもりで言ったんだが？｣
｢け、けっ、こ……なんっ、え！？｣
承太郎｢今ならまだ撤回しても構わないぞ｣
｢嫌……じゃないです。ただ、ビックリしただけで。今のはその、プロポーズですか｣
承太郎｢本当はもっとちゃんと付き合ってからのつもりだったんだがな｣
花京院を見て思い知った
今のままではいずれまた奪われる
吉良のように、邪神のように
何も出来ずに指を咥えて見てるだけなんて懲り懲りだ
誰よりも側にいて、いつでも助けられるそんな近い距離に俺はいたい
史上最悪の敵と戦ったときでさえ、もうちょっと冷静でいられたのに、Aが関わると自分が自分じゃなくなる
承太郎｢俺の元に来るんだ。それなりに、覚悟しておくんだな｣
｢それって……っっ////承太郎さん！やっぱり保留ということで。結婚なんてまだ早い……｣
承太郎｢今更、嫌だと拒絶しても遅い｣
離した手からAの温もりが消えない内に、頬に添えてそのまま軽く顔を持ち上げた
目を閉じる時間を待つのさえ惜しく、愛してると言うように長いキスをした
空条承太郎〜完〜
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作者名：まゆ
| 作成日時：2023年7月20日 23時
