16 ページ16
〜吉良〜
しのぶ「本当に大丈夫?私やっぱり……」
吉良「大丈夫だよ。熱も下がってるし今日は大事をとって休んでるだけだからね
それより早く出掛けないと間に合わないんじゃないのか」
しのぶ「そう、ね。行ってくるわ」
退屈しのぎにテレビをつけると、例の宗教団体が取り上げられていた
幸せを運ぶと人気を博していたが、先日教祖の不正がバレ終身刑を言い渡された
手広く悪事を行い、それに気付いた信者は手にかける
女性信者の中には手を出された者も少なくはない
あの子はどうだ?
大丈夫だったか?
犠牲者の名前は報道しないのか
されたところで、わたしにはあの子かどうかは分からない
なにが幸せを運ぶだ
あの子と出会ってから何も手がつけられなくなった
幸せどころか不幸だ
会いたい
触れたい
吉良父「吉影ーー!!」
わたしの名前を叫びながら窓から入り込んだ一枚の写真はとうの昔に亡くなった父親
わたしは歳を取ってからの子供で、母親と違いかなり溺愛され育った
死しても尚、こうしてわたしを守るために行き続ける
吉良父「見つけたぞ!!お前が惚れ込んでいるガキを!!名前は朝ゆ「親父。黙れ」
吉良父「よ、吉影……?」
吉良「確に私は彼女のことを知りたい。でもそれは、同時に彼女自身から聞きたいことでもある。それともう一つ。いくら親父といえ、私が愛した女性をガキ呼ばわりすることは許さない。次に彼女を侮辱するようなことを言ってみろ。殺すぞ」
吉良父「す、すまんかった。ワシが悪かった」
忘れられない
あの柔らかくてスベスベした手
頬ずりしたい
あの細くて可愛い指をしゃぶりたい
あの笑顔をもう一度見たい
吉良「……っ!?」
わたしは彼女の手が気に入ったんだ
そのはずなのに……
彼女に名前を呼ばれることを想像しただけでたまらなく興奮する
あの子に会うなら学校まで行ったほうが早そうだ
おそらく、ぶどうヶ丘高校の生徒だろう
あの日と同じスーツを着て会いに行く前に、結婚指輪を外した
跡がくっきり残っていてこれでは指輪のことがバレてしまうな
指にいくつか絆創膏を貼っていれば大丈夫だろう
男は料理に不慣れなほうが好感も多少は得られる
あの子のためだけに手料理を作るのも悪くない
まだ午前中だというのにもう学校が終わったのか?
次々と帰宅する生徒の中で一際目立つ彼女を見つけた
232人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まゆ(プロフ) - (*´ー`*)さん» ありがとうございます!ジョジョはほぼ毎日更新してるのでお待たせすることはないと思います! (2018年4月10日 17時) (レス) id: 081479619d (このIDを非表示/違反報告)
(*´ー`*) - 続き楽しみにしてますヽ(*´^`)ノ陰ながら応援しています (2018年4月10日 17時) (レス) id: 4de10ffa38 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:まゆ | 作成日時:2018年3月28日 0時