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1話〈入学〉 ページ2

肌寒い宮城の春


せめて、高校の入学式くらいは桜の咲く道を歩きたいものだが


そう神様は簡単に気候をかえてはくれないみたいです






「高校って、こんなに大きいんだな…」



今日から、宮城の烏野高校に通う


家から近くて、幼なじみが通っている


それだけの理由で烏野に入った


掲示板には、1年2組 水樹Aと書いてあった






クラスに行き、席に着いたら


後ろに女子がいることを確認して


私は自分のこれからが大きく左右する作戦を決行した



「あ、あの!」


「え、はい!」


「そ、その筆箱凄く可愛いね!ブランド物?」


「うん!結構高かったんだ〜
名前なんていうの?」


「私、水k「え、ちょっと、あんたこの子知らないの?」」



名前を言おうとした瞬間にその子の友達らしき女の子が小声でなにかを話し始めた


「え?誰?」


「水樹A。髪を染色してたり、友達怪我させたりって変な噂たえないらしいよ」


「え…」


女の子二人は私から逃げるようにどこかへいってしまった






結局、昼休みは教室に私の居場所なんてなく


屋上に向かった


“しょうがないよ、タイミングが悪かった”


そう言い聞かせてお弁当を食べた


昔から男の子には好かれ、女の子には距離をおかれた


幼稚園も、小学校も、中学校もそうだった


でも、まだきっと大丈夫だよ


きっと


大丈夫…だよ…

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作者名:霧雪彼方 | 作成日時:2014年8月26日 23時

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