先輩の彼女になれますか？ (ページ5)

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落ちて行く夕日を見ながら
先輩と一緒にいれるこの時間が、
このまま止まってしまえばいいのにと思う。

「先輩、ここに連れてきてくれて本当にありがとうございましたっ」

平野「なんだよ、急に。」

「言いたくなったので、言いました。」

平野「…A、俺もお前みたいに素直になれたらいいのにな…。」

「…？」

ギュッ…

不意に腕を引っ張り、そのまま
先輩に優しく包み込まれる。

「せ、先輩っ、？」

平野「少しだけ。このままで…」

周りの音がやけに静かになり、
自分の心臓の音だけが響いて聞こえる。
先輩にもこの音聞こえてるのかな…

どれくらい時間が経っただろう。
先輩は耳元でそっと囁いた。

平野「俺なんてやめとけよ。」

「やめません。」

平野「…そっか、そろそろ帰ろう」

帰り道、辺りはすっかり暗くなり
先輩が家まで送ってくれる事になった

平野「家、俺と方向同じなのな」

「え！そうなんですかっ？」

平野「あぁ、部活帰り帰れるな」

「そうですねっ、あ、明日は何しますか？」

平野「んー、明日は…明日考えよう」

「ふふっ、わかりました」

海人「Aっ！」

遠くから私を呼ぶ声がした。
海人は私に向かって真っ直ぐ走ってくる

「海人…？」

平野「…誰？」

「あ、幼馴染です。家が近くてっ」

平野「そうなんだね、」

海人「…帰りが遅いからおばさん心配してるよっ」

「…あ、ごめん。」

平野「じゃあ俺はここで、また明日ねA」

「先輩っ、今日は本当にありがとうございました」

平野「こちらこそ、楽しかった」

「じゃあっ、」

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海人「あの人が、例の先輩？」

「そーだよ、かっこいいよねっ。先輩見てるとさー、胸がキュンキュンして、恋してるなーって思うんだぁ」

1人で浮かれて話していると、
海人がいきなり立ち止まった

「海人…？どうしたの？」

海人「…いや、なんでもない」

「変なのーっ」

海人「俺は…お前が心配なだけっ、」

「なんの心配？、大丈夫だよーっ」

海人「…とにかくっ、なんかあればすぐ言えよな」

「うん…ありがとーっ」

海人は私を家まで送ってくれると、
じゃあ。と言って隣の家に帰って行った。

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ねぇ、先輩っ
今日はなんで抱きしめてくれたの？
少しでも私の事いいなって思ってくれたのかな？

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