検索窓
今日:13 hit、昨日:1 hit、合計:667,155 hit

17.都会の風。 ページ17

その日、澪の3人はそれぞれにビルを出て行ってた。

最初に出て行ったのは潤さんで、次に斗真さん。
最後に旬さんが電話をしながら忙しそうに走って出て行った。

頑張ってるんだなぁ…なんて、こないだ潤さんの話を聞いたから彼らに会う度に心の中で「頑張ってください!」ってエールを送ってる。
口に出さないのは、小娘に応援されてもウザイかな?と思うから。



「あのー、すみません」

今日は喫茶店へ行っても潤さんに会えないだろーなぁと思って、管理人室で粉を入れてお湯を注ぐだけで良いミルクティーを作ってた時。
遠慮がちに外から声を掛けられた。

「はーい」

窓から顔を出すと、そこには『好青年が服着てる』みたいな男性が立っている。

「澪という会社に用があるんですが、訪問しても全く反応が無くて...」
「あー!今、3人とも出て行かれてますよ!」
「3人...え?あの、松本も?」
「はい」

彼は「僕が今日来るの知ってるよな...」ってブツブツ。


「あのー...潤さんとお約束ですか?」
「はい、そうなんです」
「お仕事関係ですか?お急ぎだったりしますか?」

それなら緊急連絡用で知らされてる潤さんの仕事用携帯に電話をしなきゃ。
こんな正当な理由で潤さんに電話出来るなんて、どうしよう!緊張!

「あ、仕事じゃなくて」
「え?」
「僕、松本の友人で」
「お友達さんですか!」

道理で。
類は友を呼ぶというか...よく見なくても分かる、この人も端正なお顔立ち。

「今日の昼頃に到着する便で行くからって伝えてあるんですが...」
「東京から?」
「はい、東京から」

おぉ、都会の風。
そんな都会の彼は、困ったように頭をかいてビルの外を眺めてる。

「どうしよっかな...」
「あの...良かったら、ここで待たれます?」

ここ、と私は管理人室の中を指さした。
彼が「ここ」と繰り返す。

「あ!でもそこに喫茶店あるから、そっちで待つ方が良いですよね!ごめんなさい、変な事言っちゃって」

こんな見ず知らずの人間と二人きりなんて、気まずいに決まってる。
私が人見知りしないからって、他人様にそれを押し付けちゃいけないわ!


「いえ!喫茶店に入っちゃったら松本が帰って来ても気付けないので、お言葉に甘えさせて頂いても良いですか?」
「あ...はい!勿論!」

ドアを開けると、キャリーを引きながら彼は管理人室へ入って来た。


「改めまして、松本の友人で櫻井と申します」

櫻井さんは微笑み、綺麗に会釈した。

18.ミルクティー。←9.2→←16.夢語り。



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (1665 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
7347人がお気に入り
設定タグ: , 松本潤 , rei
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

この作品にコメントを書くにはログインが必要です   ログイン

橘花(プロフ) - みぞれちゃんいいこ。。パラ潤もやっぱり彼らしくて、すごく素敵なお話でした!淡く苦いような甘いような、夏をすごく感じるお話で。随所で彼女のこととみぞれちゃんのことを考える潤くんが見られて切なかったですね。。10年がどんどん短くなりますように! (2018年10月2日 23時) (レス) id: 2798c105f2 (このIDを非表示/違反報告)
Minty(プロフ) - 今頃ごめんだけどやっぱり伝えたくて。私の中のパラ潤はまだまだ彼女を忘れられてなくて、だからみぞれちゃんと話した後は彼女のことを思い出してたんだろうなとか勝手に想像して切なくなってた。そういう裏側の光景まで読めるお話だった。書いてくれてありがとう! (2018年10月1日 23時) (レス) id: 38bee720d5 (このIDを非表示/違反報告)
ま( *^◇^)る(プロフ) - やっと読めた〜!遅くなっちゃった。パラ潤にまた会えて幸せだよーありがと。 (2018年9月25日 19時) (レス) id: 43b5111d45 (このIDを非表示/違反報告)
にゃん(プロフ) - お疲れ様です。っていうの遅い位かな~ 本編ですが、甘さは無いかもしれませんがキュンが、これでもかって位詰め込まれてて凄く良かったです♪みぞれちゃんも未来に期待ができそうだし…reiさんのお話読めて楽しかった♪ (2018年9月25日 19時) (レス) id: aab6d8833f (このIDを非表示/違反報告)
なるちゃん(プロフ) - reiさんのお話はみんな好きですが、このシリーズは特にお気に入りです!キャラがみんないい! まるでその世界にまぎれこんだ気持ちになります ありがとうございました! (2018年9月25日 18時) (レス) id: a1fe1fb9b8 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:rei | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=reika72  
作成日時:2018年8月11日 13時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。