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「A………!」
左手にAを抱えて、戦線を離脱する。
市街地の建物の影に隠れて、Aをそっと下した。
「そこの者、此奴の手当て」
「伊黒……さん?」
「A……?」
早く手当てしないと出血多量で死んでしまう。
そんな状況なのに、馬鹿な此奴らしくない、静かだ。
「何でだろう、夜なのに、もう何も見えないの」
「…………」
「半分しか見えないとか、眩しいとかじゃないの、真っ暗」
さっきの無惨の攻撃で、腹とともに右眼も潰れたらしい。
早く手当てしないと……!
Aから流れる血が、Aの真っ白な髪を真っ赤に染めていた。
「もういい、喋るな、手当てするから」
「もう無理だよ」
「………は、お前、ふざける」
「さっきから、全身が焼けるみたいに痛いの、もう、そろそろだと思う」
「………っ!」
いつかはこの日が来るとわかっていた。
でも、もう出会ってから何年も一緒にいて、それらしいことがなかったから。
ずっとこのままだって、身勝手に信じていた。
あまりにも生きづらいその体質で、鬼狩りをこんなに長く出来たのが奇跡だったんだ。
.
来仙 Aは眼皮膚白皮症、通称アルビノの特性を持っていた。
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桜舞(プロフ) - あぁごめんなさい!訂正しておきます、ありがとうございます! (2021年5月3日 9時) (レス) id: faa91006d3 (このIDを非表示/違反報告)
小桜@SOS同盟 - 初コメント失礼致します。あの、11話の煉獄さんの訃報のシーンなんですけど、弐ではなく、上弦の参です。 (2021年4月29日 11時) (レス) id: 2f84cbf165 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桜舞 | 作成日時:2021年3月18日 12時