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「ごめんください」
「あら、Aちゃんじゃない!」
「え?」
正午、行きつけのうどん屋さんで、私達は出会った
******
「懐かしいですね、ここで初めて会った時」
「そうね!丁度半年前じゃなかったかしら?」
柱になる決意をしてから2日、まだ師範は帰ってこない
この知る人ぞ知るうどん屋で、甘露寺さんと会ったのは2回目
「あれからAちゃんも変わったわね。あの時のAちゃん、今だから言うけど少し寂しかったわ、何を言ってもつれなかったもの」
「そう、ですね」
そう、聞いて驚くかもしれないけど、私は昔もの凄く無愛想だった
甘露寺さんに初めて会った時も、「すみません、どちら様です?」と真顔で返したような
「何かあったの?」
「それは………」
甘露寺さんは相変わらず可愛らしい笑顔で話しかけてくる
実は、私の性格が変わった____変えたきっかけは、紛れもなくこの人
「甘露寺さん」
「?何かしら?」
だから、伝えるべきだと思う
「私、師範が好きです」
「……!」
「師範は渡しません」
「……………」
「……………あ、えっと」
うん、完全にミスった
師範が好きなのは言うべきだと思ったけどなんだ渡しませんって、我ながら馬鹿か
ていうか今はまだ私の方が下なのに何言ってんのよA
「失礼しま」
「…………ない」
「え?」
「素敵じゃない!」
ガバッと音を立てて、思いっきり甘露寺さんに抱きつかれる
力いっぱい抱きしめてくる、苦しい
「大丈夫!伊黒さんは私の事全然そんな風に思ってないわ!伊黒さんは、本当にAちゃんのこと大切に思ってるのよ!」
冨岡さんにも言われた、師範は私を大切に思ってくれてるって
それは継子としてなのか、それとも………
「それで、急にどうしたの?」
「いや………あの」
気まずい、なんか話の文脈我ながら意味わかんないし
「……初めて甘露寺さんと会った何日か後に、師範が甘露寺さんと仲良いって聞いたんです」
「……………うん?」
「それで、私も師範と仲良くなりたくて、甘露寺さんみたいになりたくて」
「…………………素敵!」
「ゲホッ」
更に抱き締める力が強くなって生命の危機
「だからAちゃんは変わったのね、健気だわ!」
「ありがとう、ございます?」
「いえいえ!大丈夫!伊黒さんはAちゃんのこと大好きよ!」
「……………」
ほんとにそうだといいんだけれど
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桜舞(プロフ) - あぁごめんなさい!訂正しておきます、ありがとうございます! (2021年5月3日 9時) (レス) id: faa91006d3 (このIDを非表示/違反報告)
小桜@SOS同盟 - 初コメント失礼致します。あの、11話の煉獄さんの訃報のシーンなんですけど、弐ではなく、上弦の参です。 (2021年4月29日 11時) (レス) id: 2f84cbf165 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桜舞 | 作成日時:2021年3月18日 12時