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「やっほーむいむい」


「誰が」


「はい差し入れ」


「僕とろろ昆布別に好きじゃないけど」




にこにこ笑いながら平然と邸に入ってくるA。


だけど少しいつもと違う、無理して笑ってる感じ。




「うっわなんにもないね」


「君の部屋が汚いんでしょ」


「なんでしってんの」


「誰も居ない時に入った」


「狂ってやがる」




Aと僕は、僕が柱になる前に何回か合同任務で一緒になったことがあって、その頃からこんな感じ。




「で、何の用?」




さっさと本題に入ろうと聞いたら、Aはしゅっと肩を落とした。



「あれの返事を、」


「うん、聞かせて」


「……………ごめん」




やっぱり。


まぁ見てればわかるもんね、僕もOKしてもらえるとは微塵も思ってなかったし。




「なんで一回保留にしたの?」


「…………わかんなかったからかな、自分の気持ちが」


「嘘、わかんなかったの?」


「うん」


「えー………」




みんな気づいてるのに。


気づいてないの本人である伊黒さんぐらいだと思う。




「…………師範はね、私の英雄なんだ」


「………………?」


「私が14の時、暗い牢獄から助けてくれた」


「………………」




初めてだ、Aが自分の過去を話したの。


いっつも笑ってるこの子が、悲しそうな、苦しそうな表情をしてるのも。





「だから、師範に対する感情が「憧れ」なのか恋愛的に「好き」なのか、わかんなかったんだけど………」


「はっきりしたの?」


「うん」


「そっか、」




少し悲しいな、好きな人が自分の知り合いを「英雄」とまで言っちゃうんだから。


でも、そんなことは大事じゃなくて。




「あの人鈍感だからね、伝わらないよ。ちゃんと言わないと」


「……………うん」


「はい、この話おしまい。お詫びとして夕飯作って。それでチャラにしてあげるから」


「うん、ふろふき大根にするね」


「期待してる」









.








(ほんと、早く伝えた方がいいのに)

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桜舞(プロフ) - あぁごめんなさい!訂正しておきます、ありがとうございます! (2021年5月3日 9時) (レス) id: faa91006d3 (このIDを非表示/違反報告)
小桜@SOS同盟 - 初コメント失礼致します。あの、11話の煉獄さんの訃報のシーンなんですけど、弐ではなく、上弦の参です。 (2021年4月29日 11時) (レス) id: 2f84cbf165 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:桜舞 | 作成日時:2021年3月18日 12時

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