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番外編1 ページ16

お館様の邸から少し離れたところにある、大きな邸。


今日は任務がないので、久々にその邸に向かっている。


右手に下げているのは、みたらし団子が入った袋。


A、みたらし団子好きなんだよね。きっと喜んでくれるだろうな。


そう考えると、自然に頬が緩んだ。


邸につくと、入り口を通らずにそのまま庭へ回る。


この邸の主は、邸にいる時の殆どを縁側でぼーっとして過ごしている。


それであんなに強いの、凄いよね。
あ、やっぱりいた。


思った通り縁側に座っていたのは、艶のある黒から流れるような白銀へと変わる髪を持つ少女。


無「おーい、A?来たよ〜?」

『………』


……もう。

反応が全くないAをみて、はぁ〜、とため息を吐く。


別に僕だけにこんなに反応がないわけじゃない。
隠の人だって、余程のことじゃなければ反応が帰ってこないらしい。
だからこそこの邸には人がいないし、基本的に誰も来ない。


でもAはわざと人を無視してる訳じゃないし、正確に言えばこれはぼーっとしてる訳でもない。


多分これは空間と同化してる。本人も無意識に。
その証拠に目を閉じれば全く気配を感じられない。すぐ目の前にいるのに。


多分Aは色々特殊なんだと思う。


でも。
普通の人ならこのままずっと反応がないまま終わるけど、僕はどうすればAが反応するのか知ってる。


無「しりとり」

『………りす』

無「寿司」

『……しにせ』

無「摂氏」

『…しまい』

無「石」

『しんぞう』

無「牛」

『………』

無「おーい?」

『……その袋に入っているのはみたらし団子ですの?』

無「そうだよ」

『……少し待っていて下さい。今お茶を淹れてきます。…無一郎さん』

無「……うん」


ほら、笑ってくれた。






***

なんでしりとりかは作者もわかんないです。

天「お前ら面白すぎんだろ」



過去編の一つ一つの話が長すぎるので分割しました。内容はほとんど変わってないです。

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作者名:桜舞 | 作成日時:2021年1月10日 16時

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