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油断 ページ12
『この程度の力しかないのに、よくあそこまで調子に乗れますわね……』
珠「A!」
『!お母様?』
珠「あなた、左眼が……!ごめんなさい、私が他の鬼に手間取っていなければ……」
蔵とは反対の方向から姿を現した母が私に駆け寄り、抉れてしまった左眼を見ました。
母は私が家を出る時、家の付近に複数の鬼が出たという情報を得て、鬼を倒しに家を出ていたのです。
『大丈夫ですこれくらい。それよりもまだ付近に鬼がいますわ。私が全て殺して来ます』
珠「ダメです!今の貴方では危険です、怪我もしているし……こっちへいらっしゃい、その左眼、すぐに治してあげるから」
『……大丈夫だと言っていますわ、お母様。私は今、鬼を殺したいのです。大切なお父様と紗雪さんを殺した鬼どもを。視界が半分になったところで、鬼を殺すのなんて造作もありませんわ』
そう言って私は、お母様に背を向けて歩きだしました。
既に近くまで鬼が忍び寄っていたのにも気づかずに……
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作者名:桜舞 | 作成日時:2021年1月10日 16時