61話 ページ13
「場所は地下室。本丸を汲まなく調べて捜索しました…ですが、地下に繋がりそうな所は何一つとして。手を、貸してくださいませんか…」
「……ふはッ、いいよ。ンな固くならずにさァ?刀剣からのお願いだ、アタシも張り切っちまうよ」
数珠丸の段々とうつむいていた顔がパッとこちらを向く。その雰囲気は、安心したような嬉しそうな、そんな柔らかいモノ。
そうだ、覚悟を決めて相談してくれたこの案件。無下に扱う訳にはいかないし、扱いたくもない。…さて、やるからには本気で取り組むが……本丸の刀剣達が調べに調べても見つからなかったモノが、アタシに短時間で見つかるだろうか…
「助けてほしい刀剣は、へし切長谷部、です」
「………成程?日本号、鶴丸にアポ取っておいてくれ、聞きたいことが出来た」
「ン?おう、分かった。ちィとまってな」
アタシの声が少し重くなったことに気付いたのだろう、日本号も直ぐに頷いては早歩きで鶴丸のところへ向かってくれた。
少しの間だが、数珠丸と情報交換をした。例えば、誰が、相談しているのを承諾しているのか、だとかね
「それじゃ、少し此方でも調査する。何か情報が入ったらきとくれ」
そう言い残して数珠丸の部屋を後にした。スーツのかくしから携帯を出して、離れた静かな場所へと移動した。
軽く操作をしつつ、あるところに電話をかける。本当はかけたくない…五月蝿いから。かけたくないけど、今回ばかりはしょうがない……
ソイツは1コールで電話に出やがった
「わぁああああッ!課長課長課長!どうしたんですかっ?恋しくなりました?私が!」
「黙れ五月蝿い、アタシの鼓膜をブチ壊すつもりかい、ぇえ?」
「うッ…す、すみません…」
キーンッと響くソイツは、宗三達を本丸に連れてきた日、万事屋で世話になった「部下」である。電話に出たと思ったらきゃいきゃいと騒ぎ始めるその様子は電話越しでも目に浮かぶ。
「で、どうしたンですか?お仕事関係ですかネ?」
「そ。アタシの配属された本丸…地下室の増築申請出ていたか調べてほしい。出てたとしても若しかしたらどっかで圧がかかって消されてる可能性もある。念入りに頼むよ」
「あいあいさーッです!取り敢えず、資料には増築申請出てないですネー…」
元気な返事と、取り敢えずの状況を知った所で電話を切った。
取り敢えず、増築申請は出てない、となると……
此処の前任、政府のお偉方にコネの通じるヤツがいた、かな?面白い、権力比べと行こうか?
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病蛟(プロフ) - 勇者の人さん» お褒めの言葉をいただきありがとうございます…自分自身も楽しみ、かつ読者にも楽しんで感動して頂けるような小説をモットーに書いていますので、とてもありがたく思います。体を気にかけていきつつ投稿させていただきますので楽しみにしていてくださると幸いです。 (2021年9月22日 21時) (レス) id: 1220734e66 (このIDを非表示/違反報告)
勇者の人(プロフ) - 文章が綺麗でとても読みやすく、読んでいて感情が揺さぶられたりと素晴らしい作品ですね。応援しています、これからも無理しない程度に頑張ってください。 (2021年9月22日 2時) (レス) id: 0ba614db75 (このIDを非表示/違反報告)
病蛟(プロフ) - もっちーさん» 一期一振に関する誤字を教えていただき有り難う御座います。修正作業に取り掛かります故…これからもこの作品をどうぞよしなに、楽しめるような続きを投稿させていただきます。 (2021年9月11日 22時) (レス) id: 1220734e66 (このIDを非表示/違反報告)
もっちー(プロフ) - はじめまして!続き楽しみに待ってます!!それと一期が一護になってます! (2021年9月11日 19時) (レス) id: 5828451b09 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:病蛟 | 作成日時:2021年8月18日 23時