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66話 ページ18

「…あの、池の中でですか?」
「嗚呼、一部だけ土が多く盛られている場所があってねェ?ちょっと、怪しいだろう?」


そういえば、「あー確かに怪しいですネ」と部下は小さく零した。

「まァ…と、言っても水の中は十分おかしいがねェ……ほら、仮にあそこに出入口があったとして……どうやって入るッて問題があるだろう?誰にも気づかれずに土を掘り起こして扉を出現させたとて…開けたら水が地下に流れちまうよ?」

「私も、地下の場所はどれだけやっても吐いてくれなかったンですけど……まァ、ヒントはもらえたンデスケドネ……その、あの…」


やった、という言葉に日本号と少し顔を見合わせた。………此奴、真逆とは思うが…拷問したな?

アタシは今政府の役員ではないから勝手にするのは良いが……此奴えげつないから、これに関しては敵さんに同情だ。でも、それに負けずヒントしか吐かなかったのも大分根性のある御偉方だけど


そして、急にしどろもどろになった部下に少し首をかしげる。アタシの方をちらと見ては、口を少し開きかけてもう一度閉じて少し唸る・・・を繰り返す。


「なンだい、まどろっこしいな……」
「うぐぐ……あの、本当に…怒らないでくださいよ…?日本号サン、課長のセーブ宜しくお願いしたいンデスケド…数珠丸サンも。」


うだうだと口ごもる姿は、此奴にしては珍しい。何時も思った事、感じたことは即行動に表すヤツだ。まぁ、此処迄言うのを躊躇うッてことは…そうとう、アタシの逆鱗に触れるッてことか否か……
ぐだぐだと言い詰まる部下にだんだんとイラついてくる…


「その〜…ハイ。場所の入口は審神者部屋ではある、と…それで、絡繰りがあるとか、なンとか……で、あの…ぅー」
「だーッ!もう、うだうだ面倒臭いねェ!早く言いなッ、お互い暇じゃァないだろうに!」

「ひぇッ…は、ハイッ!へし切長谷部サンの『水の中に閉じ込めた』はホルマリン漬けの事だッて言われました!装置は5個あッて、他には静方サンがつけられているそうでッ…」
「ッ―!」


アタシが思わず声を荒げてしまえば、部下はビクリと肩を揺らして、わッと言い出した。
その言葉を聞いた途端に、腹の奥がぐるぐるとしている感覚を感じる。


「A、大丈夫か?顔色が…」
「う”…ッぉえ…すま、ん今…ッちょ、っむ……り」
「課長ッッ!」


腹の奥に気持ち悪さを抱きながらくらりと気を失っていった。
一つ、思い出したのは…小さな男の子

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病蛟(プロフ) - 勇者の人さん» お褒めの言葉をいただきありがとうございます…自分自身も楽しみ、かつ読者にも楽しんで感動して頂けるような小説をモットーに書いていますので、とてもありがたく思います。体を気にかけていきつつ投稿させていただきますので楽しみにしていてくださると幸いです。 (2021年9月22日 21時) (レス) id: 1220734e66 (このIDを非表示/違反報告)
勇者の人(プロフ) - 文章が綺麗でとても読みやすく、読んでいて感情が揺さぶられたりと素晴らしい作品ですね。応援しています、これからも無理しない程度に頑張ってください。 (2021年9月22日 2時) (レス) id: 0ba614db75 (このIDを非表示/違反報告)
病蛟(プロフ) - もっちーさん» 一期一振に関する誤字を教えていただき有り難う御座います。修正作業に取り掛かります故…これからもこの作品をどうぞよしなに、楽しめるような続きを投稿させていただきます。 (2021年9月11日 22時) (レス) id: 1220734e66 (このIDを非表示/違反報告)
もっちー(プロフ) - はじめまして!続き楽しみに待ってます!!それと一期が一護になってます! (2021年9月11日 19時) (レス) id: 5828451b09 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:病蛟 | 作成日時:2021年8月18日 23時

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