６３話 ページ15
「あー……確か……」
思い出すかのように呟く鶴丸の口から告げられた言葉は耳を疑うもので
「“水の中に閉じ込めちゃった”……ッて」
「水の中ァ…？」
その言葉に日本号は訝しげな声を出す。まァ、その反応が正解な程だ。アタシだって水の中なンて信じがたい。
…水…地下…？
「ちょっと待ちなよ、長谷部のいる場所は地下室なンだろう？それがなンで水の中、なンて…」
「水の中に地下へ続く道がある、とかか？」
「え…そゆこと…？」
アタシの疑問を含んだ言葉に反応した日本号の言葉は的を得ているようで、的外れ……まだ、確信に至ることは無かった。
「でも日本号、水の中に地下へ続く場所があるッて…大分、作るのにも時間かかるンじゃあないかい？あまり大規模にしちまえば鶴丸達だッてわかるじゃあないか」
「そうだな、俺たちが此処に顕現されてから目に見えてわかるような大規模な工事は入ってないぜ」
鶴丸からの言葉も入り、又もや行き詰ッてしまう…
「……しょうがない、手当たり次第に水のある場所を探すっきゃないね」
「本気か？この本丸の池とか風呂無駄にデカいだろ。汲まなく探せばアンタ風邪ひくぜ」
「…その後のお風呂の用意をお願いしたいな…」
「僕たちが入れれば、作業効率もグンと上がるのだけど……この水は、僕たちはサビてしまうからね。前任の怨念が、まだ籠っているから…ご主人様には申し訳ないけど…」
指先を水面に入れてみれば、にゅると少し滑ったような感覚がし、ぞわりと鳥肌が立つ。
今からこの気持ち悪い水の中に入らなきゃいけないと考えると…気持ち悪い……サイッアク…
池の水は半ば白く濁って、軽く異臭も漂っている。刀剣達が入ったら刀身自身がサビてしまうらしく、今まで池だけは調査が進まなかったらしい。
怪しいッて言えば此処、しかないし…
バチンと強めに頬を叩いて、深呼吸。今のこの本丸の長はアタシだ。覚悟を決めなきゃならない！
「無理だと思ったらすぐ上がって来いよ、やりすぎるな」
「わかってる、日本号。アンタ達に心配かけるわけにはいかないしねェ。…よし、じゃあ行ってくる」
水着なンて持ってきてないから、せめてスーツだけでも脱いでシャツと私服用の半ズボンで挑む。ゴーグルをつけて勢いよく水の中へ飛び込んだ。
ざぶんッという水の音と共に、ぬめぬめとした水の感触が襲い掛かってくる…
「ちょおおおおっと待ってくださあああ！！」
なんて声が飛沫の音とともに聞こえた気がしたけど。
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病蛟(プロフ) - 勇者の人さん» お褒めの言葉をいただきありがとうございます…自分自身も楽しみ、かつ読者にも楽しんで感動して頂けるような小説をモットーに書いていますので、とてもありがたく思います。体を気にかけていきつつ投稿させていただきますので楽しみにしていてくださると幸いです。 (2021年9月22日 21時) (
レス) id: 1220734e66 (このIDを非表示/違反報告)
勇者の人(プロフ) - 文章が綺麗でとても読みやすく、読んでいて感情が揺さぶられたりと素晴らしい作品ですね。応援しています、これからも無理しない程度に頑張ってください。 (2021年9月22日 2時) (レス) id: 0ba614db75 (このIDを非表示/違反報告)
病蛟(プロフ) - もっちーさん» 一期一振に関する誤字を教えていただき有り難う御座います。修正作業に取り掛かります故…これからもこの作品をどうぞよしなに、楽しめるような続きを投稿させていただきます。 (2021年9月11日 22時) (レス) id: 1220734e66 (このIDを非表示/違反報告)
もっちー(プロフ) - はじめまして！続き楽しみに待ってます！！それと一期が一護になってます! (2021年9月11日 19時) (レス) id: 5828451b09 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：病蛟 | 作成日時：2021年8月18日 23時
