同期 ページ7
そのあとも続くシウミンの話によると、あの子は俺に置き去りされた後みんなのところに戻ったらしい。
そして、呑みまくって大号泣して潰れたらしい。
思い返せば、確かに悪いことをしてしまったと申し訳ない気持ちになったが、
一方でこれでもう諦めたもしくは冷めただだろうと思うとほっとしてしまう。
「そのおかげでユマちゃんあの子にかかりっきりになっちゃってあんま話せなかったし。」
ユマちゃんてあの子か、狙ってた子か。
うん、結局それが言いたかったんだよね。
知ってた。
「俺のせいで悪かった。
お詫びに協力してやるから。」
仕方がないとクリスはシウミンの肩をたたいた。
その申し出にシウミンは失笑で返す。
「え、いいよ。
クリスが協力してうまくいったためしがないから。」
こいつ、人の好意を！！
「邪魔ですよ。あなた達。」
その声に振り返ると特公所属のチェンが朝から陰気な顔をして立っていた。
「ああ、すまない。」
クリスがよけるとちらりを目を向けてそのまま行ってしまった。
「あいつ変ったよな。」
「そうだな。」
チェンは俺たちと同期で入ったが特公に引き抜かれてからは会う機会はめっきり減り、それでも顔を合わせば世間話くらいはしていたし口数も多くはないがよく笑うやつ、だったはずなんだけどな。
いつからか人が変わったようになってしまった。
それでも真面目なのは相変わらずらしく俺たち同期のなかじゃ一番の出世株だ。
現実、次の昇進で警視正らしい。
「あんなので結婚生活うまくいってんのかね。」
「チェンって結婚したのか！？」
「そっか、クリスはいなかったもんな。４年前になるかな。
すんげー幸せな顔してさ、あの頃はまだ今みたいに嫌味な奴じゃなかったんだけどなー。」
「へー。」
きちっとスーツ着た背中は、まっすぐに進んで建物の中に消えて行った。
＊
夜、Aはきらびやかなレストランで議会の男と食事をしていた。
「口に合わなかったかい？」
Aの手が進んでいないのを見かねて男が尋ねる。
「いいえ、そうじゃなくて。
なんだか今夜はもう夢のようで、胸がいっぱいなんです。」
思っていないことでもAの口はすらすら動く。
その応えに気を良くした男は得意げにほほ笑んだ。
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yori(プロフ) - また来ましたっ（´▽｀*）。ずっと探しててwww見つけた時は息が詰まるほど嬉しかったです。もう一回読み直しますっ。更新は無理しない範囲でしてください (2012年12月13日 16時) (
レス) id: 88ffb53b2c (このIDを非表示/違反報告)
tutu(プロフ) - yoriさん» コメありがとうございます。お返事、更新共に遅くなってしまい申しわけありません。なかなか更新ができない状況ですが、気長にお付き合いくださるとうれしいです。がんばります！ (2012年9月4日 22時) (レス) id: a617facaa6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：tutu | 作成日時：2012年7月1日 23時
