獲物 ページ6
「いつものことだけど、誰も俺の入れ替わりに気付かないなんて。
人間がいかに視覚に頼っているかがわかるね、まったく。」
「それって私の演技がうまいってことにはならないのかしら？」
Aが茶化すように言うと、
「俺はもっと美しく歩くし、あんな話し方はしない。」
ベット脇に置かれた椅子に腰かけて、ルハンからのダメ出しを聞く。
「それに、男からのデートの誘いは受けない！ましてあんなおっさん。」
それが一番不服だったらしく、ルハンはAの顔を見て強く言い切った。
言われてAは、相手がとても驚いて飛びあがって喜んでいたことを思い出し納得した。
「そうなの？だったらなんでわざわざ女になるの？」
「いろいろ都合がいいからだよ。
誘いを受けるにしてももっと若いのにして。
せっかくいい女になった意味がないから。」
「ふーん。ルハンはああいう感じの女が好みなんだ。
ふーん。
私も金髪にしてみようかな。」
Aは、自分の髪を一束つかんだ。
「やめて。せっかくきれいな黒髪なのに、もったいない。
Aには、こっちの方が似合ってる。」
ルハンは、Aの長い髪をなでる。
ルハンに言われて嬉しそうにAが笑う。
「私もそう思う。
じゃあ、もう休んで。議会のおじさんには私が会うわ。
おいしそうだったもの。」
「ああ、そうして。
そのかわり、おれはあの背の高い奴もらうから。」
部屋を出て行くAにルハンは、ニヤリと笑いながら言った。
それはAの記憶を覗いたとき、最後の方に見えた男。
どうやらルハンの許容範囲内だったらしい。
「ダ―メ。私が見つけたんだから横取りしないで。」
入口から顔だけ覗かせたAはそう言って、おやすみ。と扉を閉めた。
＊
赤い女を追いかけた次の日。
朝、署に向かっているといきなり後ろから首を掴まれた。
「おっはよう、クリス。
昨夜は１人でどこ行ったの？ん？
あの後大変だったんだよ。」
シウミンが肩を組んで自分の方へ引き寄せるもんだから、クリスは歩きづらいし腰にくる。
でもシウミンはそんなこと構わない。むしろわざとだ。
「何の用事か知らんけどさ、ちゃんと送ってやんなさいよ。
せめてタクシーに乗せて見送ってあげてもよかったんじゃない？俺たちもう大人なんだし。現ナマ握らせて置き去りは、ちょっとねぇ・・・。」
ラッキーアイテム
革ベルト
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yori(プロフ) - また来ましたっ（´▽｀*）。ずっと探しててwww見つけた時は息が詰まるほど嬉しかったです。もう一回読み直しますっ。更新は無理しない範囲でしてください (2012年12月13日 16時) (
レス) id: 88ffb53b2c (このIDを非表示/違反報告)
tutu(プロフ) - yoriさん» コメありがとうございます。お返事、更新共に遅くなってしまい申しわけありません。なかなか更新ができない状況ですが、気長にお付き合いくださるとうれしいです。がんばります！ (2012年9月4日 22時) (レス) id: a617facaa6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：tutu | 作成日時：2012年7月1日 23時
