異変 ページ12
ドアが乱暴に開かれた。
その音に驚いたトトは、椅子から落ちてしまった。
「Aどこ！」
ルハンはフロアを抜けると、階段を上り大声でAを呼んだ。
足音荒く廊下を進み、一番奥の部屋の扉を開ける。
「A」
暗い部屋、かすかに光の入る窓際に立っていたAが振り返る。
赤い服を脱ぎ捨てた青白い肌が暗闇にあやしく浮かんでいる。
「ルハン、いい加減ノックすることを覚えたらいいんじゃない？」
「そんなことはどうだっていいから。」
ルハンは、ずんずんと部屋を横切るとAの両肩を掴み強い口調で言った。
「もう俺の振りをするのはやめて。この服も着ないで。いいね？」
ルハンの様子に驚きながらも、Aは訳を尋ねた。
「いきなり何？どうしたっていうの？」
「Aが知る必要はない。それから、この間の背の高い男には近づかないようにして。」
それだけ言うと、ルハンは部屋から出て行った。
「ちょっと！ルハン！」
Aが呼びとめても振り返らなかった。
ルハンと入れ違いに部屋に入って来たトトは、ベットに飛び乗りあくびをひとつするとAに話しかけた。
「ルハンは、どうしたの？せっかく気持ちよく寝ていたのに、目が覚めちゃったよ。」
「私にもよくわからないわ。」
Aは、ルハンの出て行ったドアを見つめたままこたえた。
外で何かあったんだろう。
「正体がばれたとか。」
トトが言う。
「えー、それは困る。やっと慣れてきたところだし、レイ兄さんだってまだ戻ってないのよ。」
Aは批難の声をあげた。
ヴァンパイアが一定の場所に長くとどまることはなかなか難しい。そのため、住処を転々とする者が多く、Aも一年前この町にやって来たばかりであった。
「冗談だよ。
それに、そんなことになってたらこんなにのんびりしてはいられるはずないじゃないか。」
「そうね。」
「大丈夫だよ。ルハンに任せておけば。」
「うーん。」
それはそうなのかもしれないが、ルハンに何があったのか気になってしまう。
Aはあんなふうに取り乱すルハンを見たことがなかった。
「それよりも、」
トトの目がキラリと光った。
「背の高い男って何。」
「なーいしょ。」
「ケチ。」
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yori(プロフ) - また来ましたっ（´▽｀*）。ずっと探しててwww見つけた時は息が詰まるほど嬉しかったです。もう一回読み直しますっ。更新は無理しない範囲でしてください (2012年12月13日 16時) (
レス) id: 88ffb53b2c (このIDを非表示/違反報告)
tutu(プロフ) - yoriさん» コメありがとうございます。お返事、更新共に遅くなってしまい申しわけありません。なかなか更新ができない状況ですが、気長にお付き合いくださるとうれしいです。がんばります！ (2012年9月4日 22時) (レス) id: a617facaa6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：tutu | 作成日時：2012年7月1日 23時
