じれったくて、あまったるい。

じれったすぎ ページ8

7月18日。午後6時。
学校近くのコンビニ前集合。
蒸し暑い。

白地にピンクのアサガオがプリントされた浴衣に、コジアヤ様がセットしてくれた巻き髪ポニーテールみたいな髪型。私はヘアセットに詳しくないからこの髪型の名称がわからないけど プロ級にうまい。

マニキュアもしたし、ペディキュアだってした
動画を見ながら頑張ってメイクもしてみた。





トミーの「かわいい」が聞きたくてここまで頑張った。




でもトミーは「しほちゃん」と遊びたかったのだろうか。私は2人の邪魔をしたのだろうか？









ぐるぐる考えながら
待ち合わせ時刻から10分経過。






私は逆に10分前に来たのにトミーは来ない。
こんにゃろう。来なかったらゆるさない。





トミーにかわいいって言って欲しくて色々と頑張った、今日も3時間くらいかけて準備した。


もしや今頃「しほちゃん」
と遊んでるの？



周りには手を繋いで歩くカップルがたくさん。

私は1人で…、









20分経過。
ねえトミー 今どこにいるの？

LINEもしてこないでどこいっちゃったの？






一緒に行ってくれるって、言ったじゃん。
トミー。









「悪い！！！遅くなった！！！！ごめん！！！！」


聞いたことある声 私が望んでいた声
後ろを振り返ると
浴衣姿のあなたがいた

トミー「ほんっとごめん！！！浴衣着ようと思ってたんだけど、俺バカでさ。準備を集合の20分前から始めちゃって。浴衣って着るの難しいんだな……ほんと、ごめんな」

A「ほんっとバカだよ、どうしようもなくバカだよ。私ずっと待ってて待ちくたびれたよ…！」

トミー「…」

私を見つめるトミー

A「なに、なんか変？」









トミー「A、かわいいな」









私がずっと待ってた言葉。
嬉しさで待ち合わせに遅れて来たことなんて全然どうでも良くなった。
幸せ、幸せだ。




こんなに待ってたのに こんなに言うの遅いなんてじれったすぎ。



A「今日のために頑張ったんだもん！！ねね、もう1回言ってよ」
トミー「絶対言わね！！」
A「ケチ！！！」
トミー「バーーーカ。早く行こうぜ！」


大好きな人と、浴衣を着て花火大会。
何だかんだあったけど、いい日になるのかも。

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