じれったくて、あまったるい。

嫉妬と境遇 ページ32

しほ「知義ぃ、お腹空いた〜〜
早くりんご食べたい〜〜」

トミー「いま剥いてんだろ！？」

しほ「なんかもう汚い……不器用すぎだよ、りんごに皮残ってるし、あ〜。」

トミー「うるせえ！(笑)
に、苦手なんだよこういうの！(笑)」

しほ「苦手っぽいもんね(笑)
はやくしてよ！(笑)」









この中にしほちゃんとトミーが居るなんて
分かりきったことなのに
なぜかこの光景を見たら
入る気が失せてしまった









久々のトミー
ちょっと日焼けしたトミー
私服のトミー

トミートミートミートミートミー

知義、知義。富永知義。









会いに来たけれど
こんなのじゃ中入れないじゃん









久々のトミー
久々の嫉妬

会いたかったのに
会いたかったのに









しほ「ん、おいし〜」

トミー「だろ？俺の剥き方が良かったんじゃん！」

しほ「いや、美味しいのは農家さんのおかげだよ？知義さん何言ってるんですか〜(笑)」

トミー「くそ、病人のくせに口だけ達者だな(笑)」









もうここにはいられない。









涙を流しながら病院を後にしてしまった。









*









近くの公園に来た

田舎にこじんまりとある公園の雰囲気、好き。






ブランコに腰掛ける。









ごめんね、コジアヤ、カンタ

折角ここまで来ても私ダメだったよ
バカなんだよ、私






嫉妬で胸が張り裂けそう
相手は交通事故に合って重症なのに

そんな相手に嫉妬してる自分も虚しくて
申し訳無くて









でも、トミーが好きで。









ブランコにゆらゆらと揺れながら考える。




午後6時30分
日が暮れようとしている

少し暑さは落ち着いたもののやっぱり暑い。









うわーーーーーーーーん。






もう今すぐにでも涙が溢れそう
泣き叫びそう









A「トミー…」









また、あなたの名前を呼びたい。









会いたいよ




会いたいよ





会いたいんだよ？









、









すると


公園の前を通りかかった









トミーが。









あの襟足、歩き方、絶対、トミーだ









思わず私は叫んでしまった





A「トッ……トミー！！！！！！！」


パッとトミーが振り返る
振り返った瞬間、トミーが駆け付けてくれた









久々に正面から見たトミー




やっと、やっと、やっと会えた。

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