OA 13 ページ14
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「なんでも?」
し 「おう。全部言ってくれ。」
全部ってなにを?この醜い感情も?
こんな状況なのに、ドキドキなんかしてる
クソみたいな私の感情を?全部ぶつけるの?
「…言えない」
し 「なんで?」
「言えないよ!この状況になって、未だにゆー兄に嫌われたくないなんて思っちゃうんだよ!?言えないよ…!!醜い感情を…ゆー兄に知られたくないもん…」
し 「俺、Aのこと好きだよ。」
…え?
し 「こんな状況になっても Aのこと、嫌いになれんよ。大事な大事な俺の妹だよ。気持ち悪いとか思えんし、何を言われても 嫌いになんてならんよ。醜くいとも思わん。」
「なんで…」
し 「そんなん知らんよ。Aだからじゃない?」
こんな時にも 優しいゆー兄は本当に馬鹿だ。
こんな奴に 大事な妹なんて言える ゆー兄は
最高の馬鹿だ。
「私…」
泣きじゃくりながら 感情を全てさらけ出した。
意味の分からない言葉を ゆー兄は うんうん。と聞いてくれた。
「やっぱり…っ、ゆー兄のことが、大好き …っ、本当は彼女とか 作らんといてとか…っ、思っちゃう…」
し 「うん。」
「ゆー兄の彼女に…っ、なりたい、ゆー兄のお嫁さんになりたい…っ、でも、 駄目なんだよね…?」
し 「…そうだね。」
今まで 言えなかった 欲望。
し 「Aは、俺の大事な妹で それ以上でも以下でもない。」
そう はっきり 言われた。
「…そうだよね!」
ゆー兄ごめんね。今までごめんね。
し 「A、」
「絶対幸せになってよね…」
し 「…ああ。Aもな。」
そして、ありがとう。いっぱい、ありがとう。
「ありがとうね、ゆー兄。」
し 「こちらこそ。好きになってくれて有難うな。」
好きになってくれて有難う。このセリフにまた涙が出てきそうになる。でも泣かない。
「こちらこそのこちらこそだよ。」
し 「なんだよそれ。」
あ、笑った。ゆー兄が、笑ってくれた。
連鎖するように私も思わず笑ってしまう。
し 「岡崎戻ってこんの?」
「うん。無理言って関西行かさせて貰ったから(笑)」
し 「そっか。ちょくちょく遊びに来いよ?」
「当たり前!皆にも会いたいし。」
し 「約束な。」
「うん!」
笑顔でゆー兄の家を後にした。
「りょうくん!ざわくん!」
り 「お。すっきりした顔してるね。」
虫 「お疲れ様。」
「ありがとうね!」
ねえ、ゆー兄。少しは貴方に近づけたかな?
大人になれたかな?
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わたあめ(プロフ) - いいお話でした! (2018年10月19日 23時) (レス) id: 710503ce15 (このIDを非表示/違反報告)
りなな - 楽しく読ませて頂いてます!続きが楽しみです!! (2018年9月18日 7時) (レス) id: 19d86a11f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぽぽ | 作成日時:2018年5月28日 21時