Ich liebe dich

OA 21 ページ22

・

嫌な予感がする。

と ｢体調悪いの？｣

｢うん、ごめんね しばらく動画休むから｣

体調悪いって嘘だろそれ。

｢お見舞い？いいよいいよ。大丈夫。｣

お前なら ありがとう！言うだろ。
なんでそんな元気ねえんだよ。
なんかあったんだろ？

と ｢…なんかあった？｣

｢え？なーんもないよ！｣

ほらまたおどける。いつになったら俺に心ひらいてくれるんだよ。
お前の全部を俺が守りたいのに。
守れない。

と ｢わかった、なんかあったら言えよ？｣

｢うん。ありがとう｣

電話を切る。
こんなことしか言えない俺。
ありきりたりの 誰にでも言えそうな台詞を投げつけるだけ。

なんも成長してない。

━

あれから4日が経つ。
皆からは心配の連絡が絶えない。
ごめんね皆…

でも なにもする気が起きないの。
前まで動画撮影だけは楽しめたのに。
もう無理。なにも出来ん。

( ゆめまる：なんかあったんでしょ？飲みに行かん？)

ゆめまる…いつも助けて貰ってた。でも今はそんな気分になれない。

( 風邪つらすぎて無理ぽ。すまん。 )

ベッドに横になる。あんだけ寝てたら飽きるのに 全然飽きない。ずっと寝てられる。

｢このまま死ねれば…こんな想いしなくていいのかな。｣

そんなクソみたいな考えが浮かんだ時、りょうくんからの着信。

｢…はい｣

り ｢A！今大丈夫？｣

｢うん。｣

何があったんだろう。滅多にりょうくんから着信なんて無いのに。
そしたら とんでもないことを聞かされた。

り ｢としみつが てつやを殴った。｣

…心臓が持たない。バクバクする。

━

俺は思った。

てつやとなんかあったんじゃないか。
そう思ったのだ。
でもAが教えてくれる筈がない。
だったら…

と ｢てつや、居る？｣

編集しているてつやの部屋へ。

て ｢んあ？なに｣

と ｢ききてーことあんだけど。｣

てつや。Aがいねえ動画を寂しそうに編集してんな。お前、実は

と ｢Aとなんかあった？｣

ビクっと震える。あ、図星だ。

て ｢…なんもねえよ。｣

と ｢嘘つけ！！｣

なんも教えてくれねえ Aにもてつやにも腹が立つ。

と ｢お前らがそういう関係だったことは知ってんだよ！！あいつが悲しむのはお前のことだけっても知ってんだよ！！なんかしたんだろ！｣

そうすると てつやは また悲しそうな顔をした。
そして、俺の予感は的中した。

て ｢Aに告った。｣

OA 22→←OA 20

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す