マカロンとコーヒー【meychan】

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ツアー最終日。ライブは大盛況に終わって、会場に来てくれた人たちの喜んでる表情を見て、高揚した気持ちのままステージを降りる。

待ってくれていたスタッフさんたちと、おつかれさまー！なんてハイタッチをして、楽屋に戻る途中体が急にだるくなっていく。少し頭もいたい。

終わって安心しちゃったのかな

そんな風に思いながら、水でも飲もうとドリンクスペースに行ってカップを持てば。




「あ、にこさんお疲れ様です〜」

『…………おつかれさまです。』

「いやあ、よかったですよ〜」

『ありがとうございます』

「…………ツアーも終わったし、ね？僕と一杯どうです？」

『…………あぁ〜、えーっと、』

「いいお店知ってるんですよ、にこさんのこともっと知りたいですし」




腰に回る手を感じるが、気だるさのせいか頭が全く働かない。ああこのまま、何も言わず着いて行った方が楽かな、なんて考えになってしまいそうだった時。




「………っ、にこさん。」

『…………へ……え……めいちゃん？』




突然腕を引かれて、先ほどまであった手が腰から離れる。目の前にいるめいちゃんは、少し焦ってるようにも見えるけれど、私が1番驚いている。

だって、今日のゲストにめいちゃんはいなくて、都合が合わなくて、招待でも呼んでいない。それなのに。




「…………ごめんなさい、写真撮ろうってみんな言ってたんですけど、主役がいないんで探してて。連れて行ってもいいですか？」




めいちゃんの圧に返しもできず、数秒待っためいちゃんは私の手首を掴んだまま歩き出して。ずんずん、と楽屋へ歩く途中に手を繋がれて、楽屋に入れば今日ゲストで出てくれたメンバーがいた。




「…‥何なの！あの人！もう、Aちゃん、ほんとにさあ！………って、え、ちょっ、Aちゃん！？」




あー怒ってる、そんな表情を見ながら、何を言おうかと考えても何も出てこなくて、そのまま視界が暗くなって行って。

わたしは、めいちゃんに向かって倒れ込んだ。




『…………ごめ、っ、なんか、たてない、っ、』







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