SC ページ3
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不安そうな面持ちで、
どこか諦めたような面持ちで、
こちらを伺うように練習室に入ってきたあの子は、
『えっと…、よろしく、お願いします………?』
なぜか俺の方を見て、そう言った。
薄いピンクの唇が動いて、ぎこちない笑顔を作っているのが印象的だった。
じーっと見つめているうちに、“いやいや今はそんな場合じゃないだろう”と我に返り、俺もあの子の目を見て言った。
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SC「……よろしく、」
…今思えば、すごく素っ気なくて、愛想のない返事だった。
だからなのか、デビューも公表されカムバ準備を始めたこの練習室でも、あの子は居心地悪そうにしてるし。
俺たちは前以て紅一点(?)加入の話を聞いていたから、今更悪い雰囲気は無い。
……最初こそ反対するやつもいたけど。
“最初のカムバも上手くいって、2、3回目くらいのも成績が上がれば、脱退して今まで通りお前らでやっていっていいから”
……なーんてお偉いさんが言うから、妥協して了承した。
まあどっちにしろ、あの子には酷い話だな。
SC「(そうは言っても、もっと愛想が良い言い方してれば……、名前がAだって聞いたところで終わったし…)」
あの瞬間の俺は、薄ピンクの唇を見ながら、“俺も唇のケアちゃんとしようかなあ”みたいなことを考えて、自分の挨拶がいかに素っ気なかったか気づいていなかった。
最初が肝心って言うのに。呑気すぎた。
WZ「ヒョン、ちょっと」
SC「お、あぁ」
………練習室の隅のあの子は、期間限定なのに。
出来るだけ早く居なくなってもらって、今まで通りの13人でやりたいはずなのに。
あの子何て言って話しかけるかを考えるだけで、一日が終わりそうな勢いなんだ。
……男所帯に一人女の子をぶち込むなんて、狂ったこの状況よりも大きくなってしまった、最近の俺の悩み。
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レプリカ - りんさん» ほんっとに返信が遅れてしまいましたすみません…笑!!ニヤニヤしながら応援してくださるんですね、じゃあ私はニタニタしながらお返事を書かせて頂くことにします(?) (2022年12月17日 15時) (レス) id: 0820e3db89 (このIDを非表示/違反報告)
レプリカ - なのこ5546さん» 時間に余裕がなく、お返事遅れてしまって申し訳ありません!本作品を楽しんで頂きありがとうございます!!更新頑張りますので、これからもよろしくお願いしますね!!笑 (2022年12月17日 15時) (レス) id: 0820e3db89 (このIDを非表示/違反報告)
りん - 主人公ちゃんが可愛すぎてぷくぷくではないですがニヤニヤしながら応援しちゃいます笑笑これからも主人公ちゃんもレプリカさんも応援してます。無理をなさらずお身体にお気をつけください。 (2022年12月12日 12時) (レス) @page30 id: 0c8a3b5b52 (このIDを非表示/違反報告)
なのこ5546(プロフ) - こんばんは!なかなか無い設定なのでとても面白かったです!主人公ちゃんが少しづつメンバー達と距離を詰めていく感じが堪らないですっ!!これからも更新楽しみにしています頑張って下さい! (2022年12月11日 20時) (レス) id: 88c8eec9ab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:レプリカ | 作成日時:2022年12月3日 0時