いつか居なくなるあの子の話【SEVENTEEN】

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結論から言うと、僕の口角は上昇した。



人を騙してこんなにいい気分なことって他にないと思う。





『……ジョシュアさん、私発音とか変でしたか、』


JS「ううん、完璧だよ。僕に騙されたこと以外はね」


『…………、え』





ぷぷぷぷぷと笑っていれば、目の前のこの子はあんぐりと口を開いた。

さっきから僕が全然知らない顔ばっかり出てくるけど、僕至上一番濃い休憩時間になりそう。


でもまあ、ほかの12人だってきっと見たことは無いだろうし、その点少し優越感はあるよね。





『……ジョシュアさん、よくない』


JS「疑わないのが悪い」


『だって嘘言ってるように見えない』


JS「チャギはね、恋人同士とかで使うんだよ」


『……！！』





Aは目を丸くさせて見事に固まった。

………恋人って単語がそこまで刺激が強かったのかな。


それにしても、さっきのちょっと拗ねた声音は、いつもの不安そうなそれとは全然違って、少し新鮮だった。





JS「あはは、Aはいつか変なツボ買わされそうだねえ」





………僕がアメリカ育ちで、文化も価値観もみんなとは少し違うからかな。





向こうから僕らを見てる12人よりも、



君の加入にそこまで反対の気持ちは無かったのも、



こうしてくだらない話をできるのも。






VN「ヒョン、そんくらいにしてあげなよ。Aが恥ずかしそう」


JS「え？そうなの？」










毎日不安そうに練習室の隅でうずくまるこの子を、僕は皆より早く理解してあげたい。





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