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あまり行儀はよくないが、幸い付き合いの長いスタッフさんの方が多いし、このテーブルにつくのは僕たち５人だけだ。
壁側を年上２人にしたので、広間側の僕たちは手元が背中で隠れるはずだし。
きっと大丈夫、とさらに自分を納得させると、僕も定食にしようかな…とまたメニューを開こうとしたところで、僕らの話が一段落したと思ったのか、スタッフさんの一人が「決まった？」と近付いてきた。
「ボクたち決まりました！」
「あ、まだの人いる？」
「ふーまくんとけんとくんがまだ！」
「オレがなに？」
「あ！ふーまくん！ゴハン決めて！」
どうやら電話は終わったらしい。
携帯をテーブルに置きながら僕たちの向かいに腰を下ろす風磨くんに、マリが話すと聡がメニューを渡す。
「決まったら教えて」と去っていくスタッフさんに「はーい」とみんなで返事をすると、目の前の風磨くんはメニューをパラパラ捲り出しだ。
それも半分もいかないあたりで最初のページに戻ると「握り寿司にしよーかな」と呟き。
あまりの即決ぶりに向かいから声をかける。
「決めるの早いね？」
「んー…入口の暖簾に鮨って書いてあったからさあ。この店の自慢なら食っとこうかなって」
「え！気づかなかった！」
さらりと言われ、聡が驚く。
僕もまったく気づいてなかったけど、言われてみればメニューの最初には寿司が載っていた。
そーゆーことなのかもしれない、ともう一度メニューを見直す。
寿司も選択肢に入ってしまった…
「なに、勝利、決まんねぇの？」
メニューを閉じた風磨くんがニヤニヤしながら聞いてくる。
僕が優柔不断なのをわかっていてからかおうとしてきているので、言葉に詰まる。
と、空気を読めない、空気は食べる専門のマリが「けんとくんもまだだよー」と奥から割ってきた。
「中島？そーいや、廊下で擦れ違ったな。なにしてんの？」
「打ち合わせだってー。ゴハンのときもお仕事なんてけんとくんマジメ！」
きゃはっと笑うマリは、知らない人が見たら完全にバカにしているようにしか見えないんだろうけど。
本人は至って真面目にすごいと思って言っているんだからすごい。
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水城（ミズシロ）(プロフ) - あふいさん» コメントありがとうございます。最近更新できていませんが、続きができたときはよろしくお願いします。 (2021年10月18日 19時) (
レス) id: 5d8211fb4f (このIDを非表示/違反報告)
あふい - 面白いです❗ (2021年10月18日 16時) (レス) @page14 id: 3848730b13 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：水城（ミズシロ） | 作成日時：2021年3月7日 23時
