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だって、初めて会った日も。
『どいてどいてー!そこの人!どいて!!』
『え?えっ、はあ!?っ、あっぶな!?』
忘れもしない、あの日。
学校からの帰り道、いきなり聞こえてきた声に足を止めた。
すると、学校沿いにあるフェンスの内側に人影が現れて。
驚くオレの目の前に、鞄が降ってきた。
同時にがっしがっしと人影がフェンスを揺らしながら乗り越えてきて、ずだんっと着地すると降ってきた鞄を鷲掴む。
『こら、北山ー!何やってるー!?』
『だぁって先生話長ぇんだもん!バイト遅刻しちゃうからショートカット!』
『だああああ!北山!明日も生徒指導室に来い!』
『二日連続とか勘弁ー!』
そう言ったその人は、笑ってて。
内容から察するに、とんでもない問題児なんだろうって思うけど、なにより。
なにより、その髪が金色に輝いていて。
その人が、くるりとオレへと振り返る。
『急いでたから、ごめんな!』
そして、その人は走り去っていった。
謝られはしたけれど、めちゃくちゃ危なかったし、オレの中でのその人の印象は最悪で。
そのあとの、呼び出しを受けてるところの一方的な目撃。
オレを知っていて、という方が無理な話だ。
でも、だからこそ。
面倒そうに「勝手にすれば」と言われて、嬉しくなった。
きっとね、騒ぎや問題になって、出入り禁止になる方が嫌だと思ったからなんだろうけれど。
嬉しくて、嬉しくて。
さすがに、せんぱいみたいに授業をサボってまではいけなかったけど、ちょくちょく屋上まで通うようになった。
せんぱいは、いつだって一人で。
オレも、一人で行く。
追い出されたくない一心で、空気を読んで。
よく喋ったし、ただ座っていた日もあった。
うまく読めていたかはわからないけれど。
オレは、せんぱいが卒業する日も、屋上に来ていた。
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ちび(プロフ) - ありがとうございます⚪︎はい気長に待ってます🙏 (2023年3月13日 22時) (レス) id: ff59837987 (このIDを非表示/違反報告)
水城(ミズシロ)(プロフ) - ちびさん» 藤北でなくても大丈夫ですか?それでしたら、近いうちに確認して問題なければ残りを上げますね。遅くなったらすみません…気長にお待ちください… (2023年3月13日 22時) (レス) id: 95b0a64fd2 (このIDを非表示/違反報告)
ちび(プロフ) - あっ藤北で無くても大丈夫ですよ、また良かったら⚪︎ (2023年3月13日 22時) (レス) id: ff59837987 (このIDを非表示/違反報告)
水城(ミズシロ)(プロフ) - ちびさん» 当時書いていたお話は大体UPしておりまして、ほんの少し残っているくらいなんですが、確か藤北ではなかったような…すみません…更新停滞している中、コメントいただけて嬉しかったです。また藤北更新することがありましたらその時はよろしくお願い致します。 (2023年3月13日 22時) (レス) id: 95b0a64fd2 (このIDを非表示/違反報告)
ちび(プロフ) - 良かったらまた続編お待ちしております、めっちゃ素敵なお話でした⚪︎ (2023年3月13日 22時) (レス) @page38 id: ff59837987 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:水城(ミズシロ) | 作成日時:2020年12月31日 15時