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「は……え、無理だよ……私もそこまで料理得意じゃないし…」
莉「だけど俺たちよりは出来るでしょ?これ見てよ」
そう言って次男のスマホから見せられたある動画。長男紫を除く兄弟5人がわいわいとパンケーキやらオムレツを作っているが、出来栄えはどれも壊滅的で、料理という概念を疑った。
「これは……まぁ、うん…あれだね……」
莉「ひどいもんでしょ?これが今の俺たちの料理レベル」
お分かりいただけただろうか、と言わんばかりにこちらを見つめ、説得してくる次男。
端正な顔を限界ギリギリまで近付けて、顔で落とす作戦。あざといね。
「無理だよ無理、私には。他の人に頼んだほうがいいよ」
莉「そんなぁ…!頼める人なんてAちゃんしかいないよぉ!
ねぇお願いっ!俺たちもちろん手伝うし、バイト代も出すから!」
さ「嫁にくる練習だと思えばいいじゃん。あ、嫁って俺のね」
誰がお前の嫁にくるだよ。そんな予定どこにもないから。風評被害だからやめてくれないか。
こ「Aちゃんお願いだよ、僕らも兄ちゃんがいなくなってから色々と大変だったんよ」
る「掃除、洗濯、炊事、買い物、その他雑務……慣れないことばかりで僕、疲れちゃいました」
ジ「兄ちゃんがいなくなったら俺ら、この家のこと何もわからんくてさ。どこに何があるかすら、まるでわかれへんくて、毎日てんやわんや。今まで家のこと全部兄ちゃんに任せっきりで頼りすぎてたって実感したしもうこんな毎日嫌や…しんどい………」
そう言うと、再びリビングにすすり泣く声が聞こえ出す。
正直、ここまで泣かれると心が痛む。
莉「みんな泣かないでよ。俺まで悲しくなっちゃうじゃん……ううっ……」
次男まで泣いてるし……。
?「ハハッ…」
あ、でもちょっと待って?よーく聞いたら
すすり泣いてる声の中になんか聞こえる。
る「スゥッ……フゥッ…………スンスン…………フフッ…ww」
!!!
おい、さっきからずっと鼻すすって泣いてると思ってたけど1人だけお前これ……笑っとるぞw
莉「みんなぁ、なーくんいなくて辛いねぇ、悲しいねぇ…!」
いや黄だけ笑ってる、笑ってるよ?気付いて?
「………」
まぁ、1人はなんか笑ってるけど…
このまま泣いてる幼なじみたちを放っておくのもあれだし……
「わかったよ、やる……やるからもう、泣くな…」
こうして晴れて私は、この家の期間限定飯炊きババアになったのだった。
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花音(プロフ) - 初めまして♪凄く面白かったです( ≧∀≦)ノ続きがとても気になります( ;`Д´)これからも応援してます(^○^) (2022年5月20日 4時) (レス) @page3 id: c9954f1e86 (このIDを非表示/違反報告)
ヒアヤ - アッ新作も大好きです(( (2022年5月19日 14時) (レス) @page3 id: 21aa03ab93 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)(プロフ) - めちゃくちゃ好きです!これからも頑張って下さい (2022年5月15日 20時) (レス) @page1 id: 8ede1881f8 (このIDを非表示/違反報告)
海月 - イラスト集から来ましたw 大爆笑しましたww 更新頑張って下さい‼︎ 挙式挙げられるところ探しておきます(( (2022年5月13日 23時) (レス) @page3 id: e9b6f3aa76 (このIDを非表示/違反報告)
ネコ日和。 - 新婚旅行の費用と、入籍の手続きと、バージンロード歩く心構えしときます(( 1話から笑いました(*´Д`)ハァハァ (2022年5月12日 21時) (レス) @page3 id: 18b130b5d8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蝉-セミ- | 作成日時:2022年5月11日 18時