百五十四振り ページ36
一瞬の眩い光の後、目の前には見慣れた景色が映った。
帰ってきたのだ。本丸に。
だが──いつもなら、掃除当番の刀剣男士が迎えてくれたりするのだが、今日はない。
何故って、私がそうなるように命じたから以外にないのだけれど。
空気を目一杯吸い込む。
あぁ、此処の空気は澄んでいて、やっぱり好きだなぁ。
玄関で靴を脱ぎ、足早に大広間を目指す。
退院する前に本丸に連絡を入れ、皆にそこで待機するように言っておいた。
大広間が近付くにつれ、歩む速度が落ちていく。
怒られないかな。
いや、怒られるだろう。
嫌われてないかな。
いや、嫌われているだろう。
呆れられてないかな。
いや、呆れられているだろう。
などと、考えたところで無意味な事ばかりが頭に浮かび、即座に消えていく。
会いたい反面会うのが怖い。
うだうだ考えつつも歩いていると、大広間に辿り着いた。
襖一つ隔てた先には、刀剣男士達の気が立ち込め此方に漏れ出ている。
あぁ、この襖を開けるという一つの動作が、本当に億劫だ。
浅く溜め息を吐き、大きく吸い込む。
躊躇ったって仕方がない。遅かれ早かれ開けるのだから。
えぇい、ままよ！
恐怖も焦燥も感情の全てを込めて襖を開け放つ。とんでもない音が傍でしたが、まぁ想定の範囲内というか。今はそんな事を気にしていられるほど、私も出来た人間ではない。
部屋に一歩足を踏み入れる。刀剣男士達は、まさに驚いた、といった顔で私を見ていた。
誂えられた座布団に腰を下ろし、皆の顔をまじまじと見つめる。
未だ驚きの消えない面々の顔を一周し、目の前に座る初期刀を改めて見た。
やはり呆けた表情で私をその瞳に映している。
あぁ、全く。
全く、心臓が煩い。
耳元で煩い心臓を無視し、私は頭を下げ、そして言った。
「ただいま帰りました。皆」
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ナガミ(プロフ) - 睦月乃さん» 御意見、有難う御座います！良い話だなんて…創作者として冥利に尽きます。大変嬉しいです！！私も長い話の方が好きなので、もうなんなら文庫本になるくらいに書きたいと思います！！ (2018年9月16日 0時) (
レス) id: 80f8c5534f (このIDを非表示/違反報告)
ナガミ(プロフ) - Lupineさん» 御意見を下さり、有難う御座います！占ツクでは余り長い物を見た印象がないため、長編は嫌われるだろうか…そんなにこの話に興味はないだろうか…と悩んでいたので、長編が好きだといってくださって嬉しいです！もうとてつもなく長く書きたいとおもいます！！！ (2018年9月16日 0時) (レス) id: 80f8c5534f (このIDを非表示/違反報告)
睦月乃(プロフ) - 私は長い話の方が好きです！ いつも良い話をありがとうございますこれからも頑張ってください応援してます (2018年9月14日 17時) (レス) id: fab13ef4ac (このIDを非表示/違反報告)
Lupine(プロフ) - 私は長編小説を読むのが好きなので長く書いてくださると嬉しいです！これからも応援してます！ (2018年9月14日 7時) (レス) id: 4de4e1b52c (このIDを非表示/違反報告)
ナガミ(プロフ) - マナマナさん» コメントありがとうございます！！！そう言って頂けてとっても嬉しいです！！！！！！もう本当に嬉しいです...ありがとうございます(´；ω；`)これからも好き勝手更新するので、お暇でしたら是非見て下さい！！！本当にありがとうございます！！！！ (2018年9月1日 18時) (レス) id: 6b18d1cb3a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナガミ | 作成日時：2018年4月4日 21時
