嘘とﾏｺﾄ ページ6
｢…で、お前何だ？何処かからの差金か？｣
その言葉を、否定する。
｢違いますよ。私は、新しく月鬼ノ組に入る事になったんです｣
嘘を吐いた。
息をする様に、嘘を。
一瀬グレンは、不思議そうに首を傾げる。
｢そんな話、聞いてない。おいお前等、聞いてるか？｣
一瀬グレン隊の面々は、目を伏せて首を横に振る。
一瀬グレンは、訝しげに私を見た。
｢おいお前、嘘は吐いてないよな｣
刀を首筋に添えられ、そう聞かれる。
嘘は吐いている。
全てが嘘だ。
だが＿＿私は、微笑んだ。
悟られない様に。
｢えぇ、勿論ですとも。柊暮人が、行けと言ってきましたから｣
嘘。嘘。
その瞬間、雪見時雨、花依小百合の顔が歪められた。
｢貴様…柊からの間者か｣
苦無を向けられる。
呪符で出来た刀を向けられる。
私は訂正した。
｢違いますよ。柊になんて、仕えてません。あんな所、大嫌いです｣
一同の目が丸くなる。
｢ただ、幼い頃に柊暮人に拾われまして。それ以来、剣術を教えてもらったりしていたんです｣
嘘。嘘。嘘。
｢暮人が、お前を……｣
｢えぇ、そうです。だから、信用して下さいよ。そんなに構えないで。私は、貴方達と共に戦う為に来ただけの、捨駒に過ぎませんからね｣
笑った。
笑って言った。
一瀬グレンは、私を見る。
見定める様に。嘘を吐いていないか、見極める様に。
そして、
｢…そうか、なら着いてこい。お前の《鬼》は、強いらしいからな｣
そう言って、私に背を向けた。
｢えぇ、良いのかよ、グレン。あの子、ヤバそうだけど……｣
五士典人が、一瀬グレンに声を掛ける。
一瀬グレンは、気怠げに言った。
｢もうこんな所じゃ、敵も味方も変わんねぇだろ。だから、アイツの言葉を信じるしかねぇ｣
｢だけどなぁ……｣
五士典人は、何か言いたげにこちらをチラチラと見る。
｢そうですよグレン。あの子を信用して、裏切られでもしたら……｣
十条美十が、意見を述べる。
全然、信用されていない様だ。
だけれど、まぁ＿＿
｢グレンさんには認めてもらえたし、どうにかなりますよね｣
ポツリと呟き、ずっと手にしていた刀を鞘に収めた。
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Sayura(プロフ) - ナガミさん» ありがとうございます！紹介させていただきます。お返事遅くなってしまってすみません。 (2017年2月19日 19時) (
レス) id: 5dae6bbc32 (このIDを非表示/違反報告)
ナガミ(プロフ) - Sayuraさん» Sayuraさん、コメントありがとうございます。作者のナガミです。面白い…大変恐縮でございます。Sayuraさんが宜しいのであれば、紹介して頂いても大丈夫ですので、よろしくお願い致しますm(_ _)m更新、頑張らせて頂きます！ (2017年2月18日 23時) (レス) id: 6b18d1cb3a (このIDを非表示/違反報告)
Sayura(プロフ) - はじめまして、Sayuraといいます。とても面白いと思ったので、この作品を私の作品で紹介してもいいでしょうか？嫌だったらすみません。更新頑張って下さい！ (2017年2月17日 0時) (レス) id: 5dae6bbc32 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナガミ | 作成日時：2017年1月26日 20時
