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〈主、忘れたか？俺達は……《鬼》と、その宿主は、一心同体みてぇなもんだ。そして《鬼》は、宿主の欲望を喰らって生き、力を増す。その欲望を見つける為に、宿主の記憶を見る事が出来んだよ〉
そう言われ、否応なしに小説第七巻の柊シノアが頭に過ぎる。
確か、記憶がどうこう言っていたはずだ。
〈そうだ。主、それで合ってる。だから、まぁ……〉
嘲笑する様に、《禍竜》は言った。
〈せいぜい、《鬼》に乗っ取られねぇ様に気ぃつけろよ〉
［《鬼》の貴方にそう言われるなんて、何だか皮肉ですね］
〈ハハッ。細けぇ事は気にすんな。……それじゃあ〉
《禍竜》は、声のトーンを下げた。
〈一瀬グレンの事は、任せろ。主、生きろよ〉
心配してくれているのだろうか。
だとしたら、私は幸せ者だ。
心配してくれる誰かがいる、その事実は、とても、とても幸せな事なのだ。
私は思わず微笑んで。
［勿論ですよ。私は貴方の主です。吸血鬼になんて屈しません］
自信満々に返した。
〈あぁ、絶対にだぞ〉
［えぇ、絶対に］
その会話を最後に、《禍竜》の声は聞こえなくなった。
それと同時に目を開く。
変わらず、フェリド・バートリーは席に座っていて、
「クローリー君、派手に暴れたみたいだねぇ」
「なかなか面白かったよ」
「だろう？僕のおかげだよ？ほらほら、感謝の言葉は？？」
「はは、君は面倒だなぁ」
と、クローリー・ユースフォードと会話を楽しんでいる。楽しむという感情は、もう無いのかもしれないが。
私は、ある事を聞いてみようと思う。
機嫌を損ねたら、殺されるかもしれないけれど。
私が死んだ所で、嘆く人は居ないから。
だから、私は、安心して、死ねる。
此処で殺されても、問題は無い。
少し、息を吐き出して。
「……第七位始祖、フェリド・バートリーさん、クローリー・ユースフォードさん。貴方達に、質問があります。解答してもらえますよね」
二人の答えを、聞きもしないで。
「どうして、私を此処に連れてきたんですか？私は、一瀬グレンではありませんが」
ただ、私が聞きたいが為だけに。
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Sayura(プロフ) - ナガミさん» ありがとうございます！紹介させていただきます。お返事遅くなってしまってすみません。 (2017年2月19日 19時) (
レス) id: 5dae6bbc32 (このIDを非表示/違反報告)
ナガミ(プロフ) - Sayuraさん» Sayuraさん、コメントありがとうございます。作者のナガミです。面白い…大変恐縮でございます。Sayuraさんが宜しいのであれば、紹介して頂いても大丈夫ですので、よろしくお願い致しますm(_ _)m更新、頑張らせて頂きます！ (2017年2月18日 23時) (レス) id: 6b18d1cb3a (このIDを非表示/違反報告)
Sayura(プロフ) - はじめまして、Sayuraといいます。とても面白いと思ったので、この作品を私の作品で紹介してもいいでしょうか？嫌だったらすみません。更新頑張って下さい！ (2017年2月17日 0時) (レス) id: 5dae6bbc32 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナガミ | 作成日時：2017年1月26日 20時
