目覚めのｾｶｲ ページ4
｢＿＿ちゃん、お姉ちゃん。大丈夫？ねぇ、ねぇってば｣
体を揺すられる感覚と、少年の声。冷たい感触。
そして＿＿
｢クッソがあああああ｣
聞き覚えのある男性の声と、高い剣戟の音。
｢っ！｣
慌てて目を覚ます。
反射的に、半身を起き上がらせた。
目の前には、心配そうにこちらを覗き込む、少年。
｢あ、起きた！お姉ちゃん、大丈夫？｣
｢あ、はい。…此処は……？｣
辺りを見回す。
見た事の無い場所。
何処かの、駅？
目の前には、真っ白な服に身を包むその少年。
その服に、見覚えがあった。
『終わりのセラフ』の中で、吸血鬼に家畜とされた子供達が着る、あの服。
思わず、少年に問い掛ける。
｢その服……｣
｢お姉ちゃん、知らないの？あのお兄ちゃん達と、お仲間じゃないの？｣
少年は、私の背後を指さした。
先程から聞こえる雄叫びは、背後から。
聞き覚えのある、声が交じっていた。
｢『あのお兄ちゃん達』…？｣
その言葉の意味が分からなくて、首を傾げつつも背後を振り向く。
そこには＿＿
＿＿一瀬グレンが居た。
瞬間、
｢グ、グレンさ……！？｣
頭が混乱する。
一瀬グレンは、私の方を一瞥した。
吸血鬼と、剣を交えながらも。
目を細めて、すぐに後ろに下がる。
｢え、なん、グレンさ…なん、なんで？え、ちょ、待っ｣
混乱する頭で、この状況を推測する。
此処に至るまでの、記憶を探る。
自室で『終わりのセラフ』を読んでいた。
そして、眠りについた。
つまり、これは＿＿
｢夢…？｣
そう考えると、途端に冷静になる。
夢なら、何度も見たのだ。
トリップする夢を。
何気なく、腰に手を当てる。
カチャリ。
刀に手が触れた。
〈こんにちは〉
《鬼》が語りかけてくる。
［貴方の名前は？］
〈私は�狎脹衫記瓩茵�自己紹介、してなかったかしら〉
《鬼》は、楽しそうに笑っていた。
〈戦うの？良いわよ。貴方に、力をあげる〉
瞬間、心臓が強く脈打つ。
身体中に、呪詛が巡るのを感じた。
《鬼》は、欲望を刺激してくる。
殺せ殺せと、耳元で囁く。
最愛の人を殺せと。
［私は、殺さないですよ］
それだけ言って、壁を作った。
柊シノアがやっていた様に。
スクッと立ち上がり、剣を鞘から抜き出す。
この後の展開は知っている。
名古屋決戦編。
あのずんぐりした吸血鬼を殺し、優一郎達との待ち合わせ場所へ。
剣を構える。
｢行きますよっ｣
心に巣食う《鬼》に声を掛け、地面を力一杯蹴り上げた。
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Sayura(プロフ) - ナガミさん» ありがとうございます！紹介させていただきます。お返事遅くなってしまってすみません。 (2017年2月19日 19時) (
レス) id: 5dae6bbc32 (このIDを非表示/違反報告)
ナガミ(プロフ) - Sayuraさん» Sayuraさん、コメントありがとうございます。作者のナガミです。面白い…大変恐縮でございます。Sayuraさんが宜しいのであれば、紹介して頂いても大丈夫ですので、よろしくお願い致しますm(_ _)m更新、頑張らせて頂きます！ (2017年2月18日 23時) (レス) id: 6b18d1cb3a (このIDを非表示/違反報告)
Sayura(プロフ) - はじめまして、Sayuraといいます。とても面白いと思ったので、この作品を私の作品で紹介してもいいでしょうか？嫌だったらすみません。更新頑張って下さい！ (2017年2月17日 0時) (レス) id: 5dae6bbc32 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナガミ | 作成日時：2017年1月26日 20時
