女王とのｶｲｺｳ ページ29
クルル・ツェペシの首元に向かって刀を薙ぎ＿＿寸止めさせる。
「名古屋空港で『終わりのセラフ』が発動されます。早急に向かって下さい」
お前はどちら側の人間かと、問い掛けられそうな言葉を発する。
「お前…柊真昼の使者か」
クルル・ツェペシにそう言われ、私は首を横に振る。
刀を持つ手が震え、そのまま首を刎ねたい衝動に駆られるが、それも抑え込む。無理矢理抑え込む。
「柊真昼の使者じゃない？じゃあ、お前は誰だ」
その言葉と共に、蹴りを放たれる。
衝動を抑え込む事に必死で、すっかり受け身が取れていなかった。
「ガハッ」
瓦礫の山へと体を打ちつけ、そのまま地面に体が落ちる。
肋骨が折れ、その骨が刺さり肺に穴が空いたのが分かった。
口から血が漏れだし、ヒュー、ヒューと、空気を吸っている筈なのに全然息が整わない。
すぐ傍に来ると、クルル・ツェペシは私の髪を掴みあげて言った。
「なら、どうしてお前は『終わりのセラフ』を知っている。どうして、お前は……」
「ガハッ、ガハッ」
血を吐き出してから、睨みつける様にクルル・ツェペシを見上げ、
「クルル・ツェペシさん、早く行かないと、他の者に…怪しまれ、ますよ？さぁ、演じ、続けて。悟られない、様に。貴方が大切にしていた
また、血を吐き出して。
「急がなければ、この、話は、変わってしまう。貴方の、大切に、大切にしていた、
とまで言うと、顔面を殴りつけられ、仰向けに倒れる。
クルル・ツェペシは、蔑む様な目で私を見据えた後、
「人間どもは名古屋空港に居る。行くぞ」
と端的に声を掛けた。
私の方を、一度だけ見た後＿＿
「……」
何も言わずに、去っていった。
私は、胸に手を突っ込み、肺に刺さった骨を抜く。
こうしなければ、いくら《鬼呪》の治癒能力を持ってしてでも治らない。
空はやっぱり澄んでいて、何故か酷く心地よい。
目を閉じて、
死ねないだろうか。
そんな事を考えた矢先、
「やぁやぁ、家畜くん」
聞き覚えのある声が、上から降ってきた。
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Sayura(プロフ) - ナガミさん» ありがとうございます！紹介させていただきます。お返事遅くなってしまってすみません。 (2017年2月19日 19時) (
レス) id: 5dae6bbc32 (このIDを非表示/違反報告)
ナガミ(プロフ) - Sayuraさん» Sayuraさん、コメントありがとうございます。作者のナガミです。面白い…大変恐縮でございます。Sayuraさんが宜しいのであれば、紹介して頂いても大丈夫ですので、よろしくお願い致しますm(_ _)m更新、頑張らせて頂きます！ (2017年2月18日 23時) (レス) id: 6b18d1cb3a (このIDを非表示/違反報告)
Sayura(プロフ) - はじめまして、Sayuraといいます。とても面白いと思ったので、この作品を私の作品で紹介してもいいでしょうか？嫌だったらすみません。更新頑張って下さい！ (2017年2月17日 0時) (レス) id: 5dae6bbc32 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナガミ | 作成日時：2017年1月26日 20時
