鬼のチカラ ページ11
地下鉄を出る。
思わず、陽の光の眩しさに目を細めた。
これから、月鬼ノ組が本格始動する事になる。
その前に__
[青炎竜、禍竜。貴方達の能力を、お聞きしたいのですが]
いざ戦闘。となった時に、足手纏いとなるのだけは御免だ。
先程から何回か聞いているが、どれも聞く事が出来ていない。
〈気になるかしら〉
[足手纏いになりたくないので]
〈だーから、言わなくたって分かるって言ってんだろ〉
[分からないから聞いているんですが]
〈…しゃーねぇな。姉貴、言ってやれ〉
目の前で行われる、漫画やアニメで見た光景を見ながら。《鬼》の言葉に、耳を傾ける。
百夜優一郎の腰に携わっている刀。
《阿修羅丸》と《青炎竜》。どちらが強いのだろう。
なんて事を思いながら。
〈そうね…私の能力は、簡単に言えばなんだけど、斬る標的を絞る。斬撃を飛ばす。切ったものを燃やす。かしら〉
《青炎竜》は、楽しげに呟いた。
〈今、私を抜いて、誰かを斬って試してみたら?〉
[嫌です]
光の速さで断る。そんな事御免だ。
〈あら、そう〉
残念そうに溜め息を吐く《青炎竜》。やはり、彼女も《鬼》なのである。
〈《禍竜》の能力は…というか、《禍竜》は鎖型の装備なの。だから、拘束に長けているわ。常に電気を纏っていて、見た目は竜の姿をしているの。青白く光る、竜。名前のままね〉
〈嫌味か、それは〉
〈そんな事は無いけど?〉
〈……〉
《禍竜》は黙り込む。やはり、姉には頭が上がらないのだろう。
〈色々出来るみたいでね、水や炎を生み出して攻撃したり、幻術を使ったり。電気を纏っているから、痺れさせたり。能力の種類の多さは、《禍竜》の方が上かしら〉
鎖型__その言葉に、岩咲秀作の《赤蛇》が頭を過ぎる。
〈イメージはその《鬼呪装備》であってるわよ〉
〈あんなヤツと一緒にすんじゃねえ。俺は、《黒鬼》シリーズだぞ〉
〈あは。そんな事を言ったら、私もだけど?〉
どうやら、この二人の《鬼》は、どちらも《黒鬼》シリーズらしかった。
《鬼》の中でも、最も質の悪い《鬼》。
よくもまぁ、そんな《鬼》を二匹も飼えていたものだ。
[まぁ]
二人の会話に割って入る。
[能力は分かった事ですし、お暇させてもらいますね。ありがとうございます]
心の中でペコリとお辞儀をしてから、《鬼》との会話へ持っていっていた意識を、現実に戻した。
現実では、どれ程時間が経っただろうか。
そんな事を気にして。
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Sayura(プロフ) - ナガミさん» ありがとうございます!紹介させていただきます。お返事遅くなってしまってすみません。 (2017年2月19日 19時) (レス) id: 5dae6bbc32 (このIDを非表示/違反報告)
ナガミ(プロフ) - Sayuraさん» Sayuraさん、コメントありがとうございます。作者のナガミです。面白い…大変恐縮でございます。Sayuraさんが宜しいのであれば、紹介して頂いても大丈夫ですので、よろしくお願い致しますm(_ _)m更新、頑張らせて頂きます! (2017年2月18日 23時) (レス) id: 6b18d1cb3a (このIDを非表示/違反報告)
Sayura(プロフ) - はじめまして、Sayuraといいます。とても面白いと思ったので、この作品を私の作品で紹介してもいいでしょうか?嫌だったらすみません。更新頑張って下さい! (2017年2月17日 0時) (レス) id: 5dae6bbc32 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ナガミ | 作成日時:2017年1月26日 20時