きっとぼくたちは繋がっている(デデデ) ページ43
※「ぼくたちの行く末」の別ルート
カービィがいなくなって数ヶ月が経った。独特な喧騒は消え失せたけど、ちょっと寂しい時が多くなった。それでも時間は流れるので、無慈悲だと思い知らされる。
「おーここにいたかー」
声の方を向くと、青い鳥のような大王と自称するデデデがいた。夢の泉でぼんやり天辺のスターロッドを見ていたら、彼もどうやら懐かしさを感じたくてやって来たとのこと。
「アイツ、元気だろうな」
カービィかと思いつつ、こくりと頷く。すると、彼は短く返事をして話を終えた。
「てっきりオマエとアイツが、駆け落ちでもするかのようにこっそり出て行くと思ったんだけどなあ」
突然の言葉に驚いていると、彼は「アイツ、Aに熱を上げてたぞ」と言われていた。目を丸くして彼の言葉を聞くと、呆れた眼差しを向けられた。
「この星から出る前にオレの所にやって来たんだ。そしたらな、今までに見たことない悲しそうな顔でオマエにフラれたと言ったんだ」
初耳なセリフと先日の誘いを思い出して頭がぐるぐるしていると、大きな手でわたしの頭を撫でた。
「残ろうが無理してついて行くかは勝手だからな。オレがどうこう口を挟めるわけじゃない」
春風色のわかものがやって来たばかりの頃とは見違える心の寛大さになっており、驚いてデデデを見上げた。すると黒の目と目が合っていた。
「オレとしては、ここにふたり残って欲しかったんだけどなあ……オマエがいるだけでも救いか」
小っ恥ずかしいセリフを言っていると自覚しているのか、若干ほおを赤らめている。
「今度はオレと仲良くするか?いつもカービィが傍にいて交流がままならなかったからなー」
冗談のように笑う彼に対して、ぼんやりしながらも頷いた。確かに接点がかなり薄かったことは覚えている。そこまでしてわたしにこだわる理由があるのかと気になる。
「寂しいなら、今度はここじゃなくオレの元に来い。優秀な部下たちと話し合えるからな。あとはオレだな、相談も……恋人が欲しい時もな」
一体何を言っているんだ。後半は細っこい声だし、それに真っ赤な顔を逸らしているし意味深。
「オレもAが気になってたんだよ、わりいかよ」
つい先日に似たようなことを言われたような。自分の顔も熱くなってきた。
「帰るぞ、ここに居続けてもアイツは来ねえからな。オレの城に来たらごちそうくらいはするぜ」
デデデはわたしの手を取って、きらきら光る夢の泉から去って行った。
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アリス - リクエスト答えていただきありがとうございました、とてもいい話でした。これからも無理しない程度に頑張ってください、応援しています! (2022年8月7日 13時) (レス) @page46 id: d52c4cdcef (このIDを非表示/違反報告)
さうざん(菜っ葉)(プロフ) - アリスさん» コメントありがとうございます、こちらこそ初めまして。感想ありがとうございます、元はいろんなキャラクターを書きたいという気持ちでこの短編集を作りました。アリスさんのご要望に添えた作品があるのであれば何よりです。リクエスト承りました、暫しお待ちください。 (2022年8月6日 23時) (レス) id: 6e309e833c (このIDを非表示/違反報告)
アリス - 今日始めて見ました!様々なストーリーがあってもっと早く見つけたかったなと思っちゃいました…!リクエストですがあなたのためだと言ったら?の後日談(続き)的なのってお願いできますでしょうか?ご検討よろしくおねがいします。 (2022年8月6日 22時) (レス) id: d52c4cdcef (このIDを非表示/違反報告)
さうざん(菜っ葉)(プロフ) - 梨夢(リム)さん» コメントありがとうございます、自己満足で書き続けていますがリムさんがそのように仰ってくれるのであれば良かったです。和数的にそろそろ終了ですが、それまで自己満足で書き通していきます。 (2022年8月5日 16時) (レス) id: ce406737cf (このIDを非表示/違反報告)
梨夢(リム) - はじめまして!面白すぎです!!最高です!続き待ってます!! (2022年8月5日 12時) (レス) id: 265c125c54 (このIDを非表示/違反報告)
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