星のカービィの短編集

もう一度(スターアライズ) ページ21

*ハイネス妹主
*スタアラストーリー終了後



小さな神さまを見つけた。
不気味な柄の丸い球体が、あのピンクボールより小さい姿で、突如姿を現した。
最初は見間違えかと思ったが、兄の過剰な反応や部下たちの不思議がる目線で、これはこの場所にちゃんと存在しているのだと確信になった。

「ま、ま、まさかぁ！？カカ、カ、カミィッ！？」
「はい、いきなり現れまして……」
「もしかして力がほぼ無い状態なんですか？」
「そうかと思いますわ」

私の近くで飛び跳ねるエンデ・ニルさま。それは私に頻りにタックルしてくるので、痛いのだが。

「A様に懐いていらっしゃるのでは？」

ルージュちゃんの一言により、神さまとルージュちゃん以外の動きが止まった。彼女はそれでも尚、言葉を続ける。

「A様以外にはあまり近付いていない印象を受けますし、触ろうとすると嫌な顔をして彼女の後ろに隠れますよ？」

彼女は言葉と実行を織り交ぜながら神さまに、軽く接触を試みていたが、神は彼女を嫌がり私に隠れた。

「本当ですわね」
「ああ、ちょっと神が羨ましいですね……」
「カミィイイイイ！あなた様のご帰還を待ち望んでおりましたぁっ！我々、カミのご尊顔を拝められてぇ！誠にぃ、非常にぃ、光栄でございますぅッ！！あなた様に忠義を尽くします故ぇ、我々にご加護をお与えくださいましぃっ！！！」
「あの、ハイネス様……神は今は疲労なさっている状態なので……私たちに対するご加護は難しい状況かと……」
「ならぁっ！カミをここで崇拝しましょ〜ッ！」

辛うじて聞き取れた部分でそれを伝えると、彼はがっくりとした様子だったが、神さまは私の腕の中で楽しそうに笑っていた。
周りの部下たちも、神さまの様子をじっと見ていた。

「エンデ・ニル様は、こんなに衰弱しきっているのですね……」
「ワタクシたちもニル様の回復を手伝いましょう」
「そうですね、A様も賛成してくださいますか？」
「はい、私もそう思っていたところです」

腕の中の神さまは、それでもなおニコニコと笑って私にすりすりと体をこすりつけていた。
子供のようでとても可愛かったので、愛おしくなり軽く抱きしめると、幼子のようにキャッキャと笑った。

「では……よろしくお願いします、神さま」

腕の中の存在は、とても嬉しそうに笑った。




(こういうハッピーエンドも欲しい)

Your(リボン)→←Welcome to the sea(カイン+マイン)

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す