星のカービィの短編集

Welcome to the sea(カイン+マイン) ページ20

暑くなってきたので、海に来た。
そこには色んなパラソルが既に立っていて、下には見覚えのある顔がちらほら見えた。彼らも私と同じように涼しくなりたいと考えているのかと思いながら、波打ち際に近寄った。足に冷たい海水があたり、体が少しだけ冷たくなった。

「うんー？Aー？」
「え、あ、うわっ！？カイン！？」
「あら！Aさん！」

気がつけば二匹の水色と桃色のマンボウが陸に上がっていた。彼らは私を見て、近寄ってきた。

「そちらからいらしてくれたんですね。嬉しいわ」
「ぼくの友達、だもん」
「久しぶりだね、カインとマイン」

黒い1つ目の物体や白い大きな1つ目な物体が侵略にやって来た時は、カインは友人たちと共にポップスターを巡った。マインは、ハートスターの回収を手伝ってくれたことがあった。
彼らはこのプププランドでは、少し珍しい夫婦である。
それらが経緯で知り合った仲だか、普段は海にいるようでなかなか出会さない。

「カービィ、元気ー？」
「うん、毎日私に会いに来ているよ」
「あら、カービィさんも大胆になったのねぇ」

くすくすと楽しそうに笑う彼女に、カインと一緒にポカンとしていると、「貴女のお話を続けてちょうだい」と言った。

「クーとリックはー？」
「週に何回か会うよ。クーはリックより遊びに来るよ」
「あらあら」

また先程の表情を作ったが、少し複雑そうな顔をした。カインはそんな妻の様子が気になるようだ。

「どーしたのー？」
「もう、鈍感なのね。あなたも」
「？」

またポカンとした表情で、私と彼女の顔を交互に見た。私も彼と同様に、不思議な気持ちを抱いた。

「どうしたの、マイン？」
「ええ、やはり気になさらないでちょうだい？」
「うん？」
「マインってば、変なのー」
「もう、妻にそういうこと言わないの！」

彼らの夫婦漫才は見てて和み、何より彼らの雰囲気も和むのだ。和みながら海を堪能できると思うと、嬉しいものだ。
手持ちのシュノーケルを付けるなどをしながら、海に潜る準備をする。

「潜るのー？」
「うん、折角来たんだし。ここの海は他より綺麗な気がするし……泳ぎたいな」
「分かったわ、お手伝いするわ」
「ありがとう！」

準備が終わり、海の青い深みに向かってずんずん進むと、マンボウ夫婦も同様に海に身を沈めていた。

「Aさーん！速く速く！」
「泳ごー！」
「待って待って」

彼らのいる海に潜り込んだ。これからもっと涼しくなりたいと思う私であった。


*

「何でボクも誘ってくれなかったの！？」
「あ、忘れてた」



(毎日暑い)

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