美味しい魔法(グリル+リック+クー) ページ18
リックとクーと一緒に林檎を食べていた。
彼らは私の分も余分に取ってくれたようで、沢山食べれる。
「ありがとう、美味しいね」
「ウィスピーから貰った」
「アイツの林檎、まじ旨いんだよな」
木陰で林檎をかじっていると、斜め上からふわふわと何かが降りてきていた。それを見ていると、ちょうど真ん前に降りてきた。
「A!…………ネズミとトリもいるんだ」
「何だよ、おれらをそんな風に言うなよ。チビな魔法使いのくせに」
「……その呼び方はやめてくれないか」
目の前の玉葱に似た魔法使いは、横にいるアニマルフレンズに毒のような呼び方をした。
ただ、私には友好的な感じで近付いてくる。それを気に入らないという顔のように見ていたのは、私の横にいる彼らだった。
「オマエ、Aのこと好きだよなぁ」
「だって、可愛いし」
「……何か言ってもいいんだぞ、A」
クーにそう言われた。確かに先程から私は何も喋っていないので、そう言われてもおかしくはない。
「……ありがとう」
「あー……そういやこんな性格だったわ」
「わーっ!反応まで可愛い!」
「グリルもこんな性格だったな」
私の手の中にある林檎を見るグリル。どうしたのかと尋ねると、彼は林檎に少し触れた。
すると、ふわふわのスポンジの上に白い滑らかそうなクリーム、さらには目立つ赤い苺が美味しそうなショートケーキになった。一口かじると、優しい甘さが口の中に広がった。
「そんなAには、ショートケーキプレゼントー!ボクちんからのでーす!」
「あ、ずりーぞ!おれにも!」
「ネズミくんにはありませーん。自分で作るか買うかしなよっ」
「なぁにぃ!!」
「落ち着け」
リックはクーに宥められて少し落ち着いたが、グリルはそんな彼を無視しつつ私に「ねえねえ、どうどう?」とぱっちりとした目で覗き込んできた。
「美味しいよ。ありがとう」
「良かった!」
「クーも食べる?」
「いや、Aのものだ。しっかり味わって食べてくれ」
「あ、じゃあ、おれも!」
「キミにあげる分はないから」
また喧嘩を始めたグリルとリック。それを見ながら、クーはやれやれと言いたげな表情で目を閉じていた。私は彼の隣に座りながら、同じように彼らの光景を見ながら、ケーキを食べる。
また、優しくて柔らかい味が口の中に広がった。
(ホントはグリル単体にする予定だった。ソルトたちは帽子の中にいるんだよ)
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アリス - リクエスト答えていただきありがとうございました、とてもいい話でした。これからも無理しない程度に頑張ってください、応援しています! (2022年8月7日 13時) (レス) @page46 id: d52c4cdcef (このIDを非表示/違反報告)
さうざん(菜っ葉)(プロフ) - アリスさん» コメントありがとうございます、こちらこそ初めまして。感想ありがとうございます、元はいろんなキャラクターを書きたいという気持ちでこの短編集を作りました。アリスさんのご要望に添えた作品があるのであれば何よりです。リクエスト承りました、暫しお待ちください。 (2022年8月6日 23時) (レス) id: 6e309e833c (このIDを非表示/違反報告)
アリス - 今日始めて見ました!様々なストーリーがあってもっと早く見つけたかったなと思っちゃいました…!リクエストですがあなたのためだと言ったら?の後日談(続き)的なのってお願いできますでしょうか?ご検討よろしくおねがいします。 (2022年8月6日 22時) (レス) id: d52c4cdcef (このIDを非表示/違反報告)
さうざん(菜っ葉)(プロフ) - 梨夢(リム)さん» コメントありがとうございます、自己満足で書き続けていますがリムさんがそのように仰ってくれるのであれば良かったです。和数的にそろそろ終了ですが、それまで自己満足で書き通していきます。 (2022年8月5日 16時) (レス) id: ce406737cf (このIDを非表示/違反報告)
梨夢(リム) - はじめまして!面白すぎです!!最高です!続き待ってます!! (2022年8月5日 12時) (レス) id: 265c125c54 (このIDを非表示/違反報告)
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