笑顔のキミが好き【千】

昔の連絡先　〜千side〜 ページ41

Aに、万の連絡先知ってそうな人がいるか、あのライブハウスの店長の連絡先は？
色々聞いた。

『知ってそうな人が分かれば苦労はしてないよね？ライブハウスの店長の連絡先は分かるよ。あと･･････』

教えて貰って、電話をかけるものの、万の居所を知る人はいなかった。
見つけて欲しいとお願いすると、

･･･「お願いされるとは思わなかった。大分丸くなったな。分かった。心当たりを当たってみるよ。」

そう言われる。
こっちでも探さなくちゃ。


音楽番組の楽屋で、Aに言った。

「A、5周年の曲、万のことを歌にしようと思う。」

Aは別段驚く訳でもなく、僕を見て言った。

『万に伝わるように？それで来てくれると思う？』

「分からない。分からないけど、僕たちのRe:valeを見てほしい。･･････会いたい。たくさん、謝りたい。」

謝っても許してくれるかなんて分からない。
それだけのことを･･･九条なんかについて行こうとした事を、やってしまったのだから。

下をむいて、ギュッと両手を組んだ。

『許してくれるよ。』

Aの言葉に顔をあげる。

『私が許したんだよ？万でしょ？万の方が千には甘いんだから。千を変えたのは百。千を受け入れて見守ってきたのは万。私はそれを繋いだだけだよ。』

「Aだって受け入れてくれているでしょう。」

『まぁね。』

「違う意味でもね？」

『･･････そうね。』

Aは、そう言ってため息をついた。
若干眉間にシワが寄っている。

「なにその不本意そうな顔、なに。」

『そう見えるなら、不本意なんじゃない？』

「そう。なら、気のせいだね？」

『･･････相変わらずどこからくるの、その自信。』

「だって僕のこと好きでしょう？」

『･･････ムカつく。』

そっと唇を寄せた。

そんなの、好きだって言ってるようなものじゃないか。

上手に言葉にするのは難しくても、伝わるものはある。
Aには結構伝わっていると思う。
モモにも解ってもらえてると思う。

万には、この曲と歌で伝われば、会えるかもしれない。
そもそも日本にいるのかも分からない。

でもRe:valeは海外でも活動したりしているから、きっと知っていると思う。

あとは探そう。
見つけて、謝ろう。
例え許してくれなくても･･････

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