フライヤー 2 〜千side〜 ページ36
「なに、嫌なの。」
『絶対に万に憐れみの目を向けられる・・・』
「なにそれ、失礼じゃない?」
『私が可哀相・・・』
ムッとした。
僕は可哀想じゃないの。
恋人にこんな事を言われて。
Aの後ろに立って鏡に手をついて、Aの耳に口を寄せた。
「ヤスは僕が好きなんでしょう。こんなに愛しているのにまだ足りないの。今夜家へくる?果てるまで愛してあげるよ?」
Aは耳まで真っ赤だ。
口は素直じゃないのに、表情や顔は素直だ。
・・・・・・かわいい。
僕の方へ顔を向かせて唇を寄せると、何故か止められた。
え?なんで?
『今日はラジオもあるから遅くなる。ダメ。』
「今のキスはいいでしょう。」
『ダメ。もう時間。』
Aは赤い顔のまま時計を指差した。
5分前。
時間あるよね?
『百、帰ってくるよ。』
え?と思っているとすぐにドアが開いた。
「ごっめん!話し込んだら遅くなっちゃった!2人共行こう!」
『うん。』
Aが立つ。
僕もそれに続く。
やっぱり軽いキスなら出来た。
・・・・・・確かに、軽く済む自信はなかったけど。
【それもお見通しか・・・】
モモと笑顔で話すAを見て、小さく息を吐いた。
・
それから、Aとモモと台場野外音楽堂の外で、IDOLiSH7のライブの曲を聴いたのは別の話。
でも、あんなに芸能界を嫌っていて、虫のようなものを見る目で芸能人を見ていた大和くんが、よくこの世界に入ってきたな。
Aがいるから?
ヤスだと言うことは言ってないみたいだけど、Aの事をまだ諦めてないとしたら?
【それでも・・・・・・】
それでも、長年想ってきたこの手を、僕は離すつもりなんかあるはずがない。
「A、今日はAの家に泊まっていくよ。」
『え?』
「あ!千くん!明日、6時に迎えに行きますからね。番宣です。」
「え。」
『ふふふ・・・残念だったね。夕飯もまだなのに。』
Aが笑う。
少し悔しくて、Aの耳に口を寄せる。
「Aも残念なら、次は楽しみにしてるよ。」
夜の車の中だから、Aの顔色は分からないけど、きっと真っ赤になってくれてるだろうなと思った。
その証拠に、僕の顔を見なくなった。
いつまでたっても、僕の彼女は表情が素直で可愛い。
泊まる事を諦めて、Aの手を握った。
to be continued・・・・・・
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ミズ ミズ(プロフ) - 凛音さん» ZOOL(こう打ちしか出来なくて申し訳ないです(>_<)の中では誰が、というのは特になかったんですけど、了さん側の裏を書いてると、私の中では普通に、巳波くんが絡んできたのでww2月後半か3月になるかと思いますけど、よろしくお願いします! (2020年1月29日 21時) (レス) id: b42bdaf0d2 (このIDを非表示/違反報告)
凛音(プロフ) - 大丈夫ですよ! 楽しみにしてます!ŹOOĻの棗巳波にハマってしまったのです。 (2020年1月27日 21時) (レス) id: 39bb781660 (このIDを非表示/違反報告)
ミズ ミズ(プロフ) - 凛音さん» ちなみに、ベースは書いてます。でないと、百の本編の裏とりが出来なかったので(笑) (2020年1月27日 17時) (レス) id: b42bdaf0d2 (このIDを非表示/違反報告)
ミズ ミズ(プロフ) - 凛音さん» ありがとうございます!巳波くんですか(汗)他落ちが話一辺倒な気がして、偏ってるなと反省途中なので、巳波くんside主体で、他が落ち着いてからで、どうでしょうか(^^ゞ (2020年1月27日 17時) (レス) id: b42bdaf0d2 (このIDを非表示/違反報告)
凛音(プロフ) - 頑張ってください!面白いです! 個人的に棗巳波くん落ちもみたいです!笑 (2020年1月27日 13時) (レス) id: 39bb781660 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:miz | 作成日時:2019年2月27日 8時