一人暮らし 2 〜千side〜 ページ31
「そんなに一人暮らししたいの。」
『・・・・・・うん。ごめん。』
謝られる事に驚く。
なんだ。
「僕が本気で一緒に住みたいって思ってるの、ちゃんと分かった上で言ってるの。」
『・・・うん。だから、ごめん。』
今度は下を向いてポツリと呟かれた。
ちょっと・・・・・・いや、結構傷付く。
言えない事があるのかもしれないけど・・・
「ずっと?」
だいぶ緊張しながら聞く。
付き合えてこういう関係になっても、泊まりは出来ても結婚したとしても、一緒に住めない人は見た事がある。
僕たちは、そうなりたくない。
Aは顔を上げて、悲しそうな顔をした。
ジッと見て、返事を待つ。
不安が押し寄せた。
『ずっとじゃない・・・・・・』
その言葉に思わず笑みがこぼれた。
「良かった・・・」
Aが驚いた顔をしている。
「なに。何で驚いてるの。」
『あ、いや・・・千が自信なかったんだって思って・・・』
「僕を何だと思ってるの。僕はAの前で自信たっぷりなんて、数えるほどしかないよ。」
言うと、今度はいつものように呆れた顔をされた。
『絶対うそ。』
「そんなことない。」
『初めて会ったときからずっと、自信たっぷりだったよ、千は。メンバー入り当然。私と付き合うの当然。女の人に言い寄られるの当然。自分がモテるの当然。あとは・・・・・・っ』
僕の口でAの口を塞ぐ。
「もういいでしょ。全部今の僕じゃない。」
言ってもう一度、今度は深く・・・・・・
離すと、Aは上気した顔で息を整えようとしている。
もう一度寄せようとすると、両手で阻まれた。
『だ、ダメ!人が通ったら・・・』
「・・・じゃあ僕んち行く?・・・・・・そうなったら帰せないけど。」
『も、もっとダメ!おじさん怖い!!』
一瞬にして青ざめるA。
【そこまで・・・?】
仕方なく諦めて、Aの席の鍵のロックをはずす。
「引っ越しの日、どうせ夕方から休みの日にするんでしょ?泊まっていい?」
Aの反応を見ながら答えを待つ。
僕の方を全く見ないで、Aは答えた。
『千が次の日の仕事、早くなかったらね。』
耳まで真っ赤だ。
「ふ・・・・・・クク・・・・・・かわいい・・・・・・」
思わず笑う。
Aは赤い顔のまま僕に怒ったけど、それも可愛かった。
Aが家に入るのを見届けて、引っ越しの日を楽しみに僕は帰った。
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ミズ ミズ(プロフ) - 凛音さん» ZOOL(こう打ちしか出来なくて申し訳ないです(>_<)の中では誰が、というのは特になかったんですけど、了さん側の裏を書いてると、私の中では普通に、巳波くんが絡んできたのでww2月後半か3月になるかと思いますけど、よろしくお願いします! (2020年1月29日 21時) (レス) id: b42bdaf0d2 (このIDを非表示/違反報告)
凛音(プロフ) - 大丈夫ですよ! 楽しみにしてます!ŹOOĻの棗巳波にハマってしまったのです。 (2020年1月27日 21時) (レス) id: 39bb781660 (このIDを非表示/違反報告)
ミズ ミズ(プロフ) - 凛音さん» ちなみに、ベースは書いてます。でないと、百の本編の裏とりが出来なかったので(笑) (2020年1月27日 17時) (レス) id: b42bdaf0d2 (このIDを非表示/違反報告)
ミズ ミズ(プロフ) - 凛音さん» ありがとうございます!巳波くんですか(汗)他落ちが話一辺倒な気がして、偏ってるなと反省途中なので、巳波くんside主体で、他が落ち着いてからで、どうでしょうか(^^ゞ (2020年1月27日 17時) (レス) id: b42bdaf0d2 (このIDを非表示/違反報告)
凛音(プロフ) - 頑張ってください!面白いです! 個人的に棗巳波くん落ちもみたいです!笑 (2020年1月27日 13時) (レス) id: 39bb781660 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:miz | 作成日時:2019年2月27日 8時