千のお誘い 4 ページ26
唇が離れたと同時に千を押しやる。
『けっ、ケーキ食べよう!ね!プレゼントも渡してないし!歯も磨いてないし!!』
千が私の腕を掴んで引き寄せる。
「Aがいい。・・・・・・ちょうだい。」
『・・・っ』
また唇が重なった。
・・・・・・優しいキス。
分かってる。
千が大事にしてくれる事くらい。
でもこの先は、記憶でしか経験はなくて、記憶に吐き気がした事もあった。
“一つだけ、忘れられる方法がある。”
万が言った事を思い出す。
分かってる。
記憶の上書きが必要な位。
でも受け入れる勇気がないんだ。
結局この後、一悶着の末、ベッドで一夜を過ごすことになった。
・・・・・・
『ん・・・?』
体がだるい。
『う・・・痛い・・・』
下半身がジンジンする・・・と思って、千とあった事が頭をよぎる。
『・・・っ!///』
そうだ。やっちゃった・・・
ドッドッと心臓が早鐘のように鳴る。
隣に寝ている千の寝顔を見る。
長く一緒にいすぎて顔に耐性はついてるけど、やっぱり整っている。
なんだか幸せそうに寝ている千に悔しく思って、ぷにーと頬を引っ張る。
「ん?A?・・・なにすんの。」
寝ぼけてる千は私に手を伸ばし、ぎゅっと抱きしめてきた。
『!?』
しまった。
さっきまで自由だったのに、身動きがとれなくなってしまった。
グイグイと千を押して脱出を試みるが、千とはいえ男性だった。
力が強くて、もっと締め上げられる。
『く、苦し・・・』
ふっと力が緩んで、千がまだ起きていることを悟る。
千とこんな日が来るなんて思ってなかった。
いつもスルーして
逃げて
でも迫られて
ずっとずっと断ってきた。
こんなに愛されてる実感が嬉しいなんて
万が知ったらなんて言うかな。
『ふふ・・・』
哀れむような目で見てきそうだ。
だって、ずっと百ばっかり好きだったから。
百が好きだった頃の私が見ても、哀れむような目で見るだろうな。
「何笑ってるの?」
『昔の私には思っても見なかったなとか、万が知ったらなんて言うかなとか。』
「んー・・・万・・・見つけないと・・・」
『そうね。ところで今日クリスマスライブあるの分かってるよね?起きようよ。』
「ん〜今何時?・・・まだ8時。寝よう。」
千は手が届く範囲にあるスマホで時間を確認してから、また寝ようとした。
8時か・・・
・・・ん?8時?
『ちょっと・・・おかりん来るの何時だった?』
「えー?分かんない。寝かせて、もう。」
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ミズ ミズ(プロフ) - 凛音さん» ZOOL(こう打ちしか出来なくて申し訳ないです(>_<)の中では誰が、というのは特になかったんですけど、了さん側の裏を書いてると、私の中では普通に、巳波くんが絡んできたのでww2月後半か3月になるかと思いますけど、よろしくお願いします! (2020年1月29日 21時) (レス) id: b42bdaf0d2 (このIDを非表示/違反報告)
凛音(プロフ) - 大丈夫ですよ! 楽しみにしてます!ŹOOĻの棗巳波にハマってしまったのです。 (2020年1月27日 21時) (レス) id: 39bb781660 (このIDを非表示/違反報告)
ミズ ミズ(プロフ) - 凛音さん» ちなみに、ベースは書いてます。でないと、百の本編の裏とりが出来なかったので(笑) (2020年1月27日 17時) (レス) id: b42bdaf0d2 (このIDを非表示/違反報告)
ミズ ミズ(プロフ) - 凛音さん» ありがとうございます!巳波くんですか(汗)他落ちが話一辺倒な気がして、偏ってるなと反省途中なので、巳波くんside主体で、他が落ち着いてからで、どうでしょうか(^^ゞ (2020年1月27日 17時) (レス) id: b42bdaf0d2 (このIDを非表示/違反報告)
凛音(プロフ) - 頑張ってください!面白いです! 個人的に棗巳波くん落ちもみたいです!笑 (2020年1月27日 13時) (レス) id: 39bb781660 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:miz | 作成日時:2019年2月27日 8時