独占欲の有無 ページ2
ヤマさんのおかげで分かったのは、私には百に対する独占欲がないことだった。
千が「モモはラビチャや飲み会ばかりで構ってくれなくて不満」と言うけど、私はそこまでではない。
必要なのは分かっているし、十分に百の憧れの好意は伝わっている。
それで私は満たされている。
万が言ったみたいに、恋愛的な事を考えるとやっぱり『うわぁ』って恥ずかしくなるけど、多分色々、そういうのに免疫がないからだ。
私は百のことが好きだった。
確かに恋はしていた。
でもそれは、百からの感情が憧れ以外にならないと感じた時までだ。
好きなのは変わらない。
ただ、もう恋ではないのを自覚しただけだ。
「A、ちょっと話があるんだけど。」
ヤスのCM撮影の後、千が話しかけてきた。
今日は待っていたらしい。
これから生放送の歌番組だ。
おかりんの車でテレビ局へ向かっている時に話すことになった。
『何?』
いつになく真剣な表情の千に驚いた。
何があったんだろ?
また引き抜きとか言われたかな?
「あの・・・A、モモが告白してきたら付き合うよね?」
ん?
『は?・・・・・・何?突然。』
「今回のキスシーン、やっぱり・・・」
まだ言ってるのか。
私はため息をついた。
「え!千くん、もうOKだしちゃってますよ?」
おかりんが焦って言う。
嫌か嫌じゃないかで言えば、嫌だ。
ずっと千は私にことある毎にキスしようとしたり、迫ってきたりした。
ことごとく避けてきたし、いつも怖かった。
今回も怖い。
それが嫌だ。
『キスシーンと百とどう関係があるの?』
「A、百と付き合って。そうすればAのファーストキスは、僕じゃなくなる。Aはモモが好きでしょ。モモもAが好きだよ。」
『何で千が言うの?百の気持ちでしょ?』
「2人が悲しそうなのを見ていられない。僕は2人共大事だ。モモならいい。」
【何を言ってんの?】
何でか、凄い衝撃を受けた。
何に衝撃を受けたのか分からない。
『千は?』
「僕は頑張ってきたよ。Aの事を諦める。・・・時間はかかるだろうけど、Aとモモが幸せならいい。」
千が泣きそうな笑顔で言っている。
ヤマさんも、こんな顔をしてた。
何で2人共こんな私の事、好きになっちゃったの?
おかしいよ。
「モモにも言った。今日言われるよ、きっと。ちゃんと付き合って。」
車が止まる。
千が降りようとするのを、何故か千の腕を掴んで引き止めた。
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ミズ ミズ(プロフ) - 凛音さん» ZOOL(こう打ちしか出来なくて申し訳ないです(>_<)の中では誰が、というのは特になかったんですけど、了さん側の裏を書いてると、私の中では普通に、巳波くんが絡んできたのでww2月後半か3月になるかと思いますけど、よろしくお願いします! (2020年1月29日 21時) (レス) id: b42bdaf0d2 (このIDを非表示/違反報告)
凛音(プロフ) - 大丈夫ですよ! 楽しみにしてます!ŹOOĻの棗巳波にハマってしまったのです。 (2020年1月27日 21時) (レス) id: 39bb781660 (このIDを非表示/違反報告)
ミズ ミズ(プロフ) - 凛音さん» ちなみに、ベースは書いてます。でないと、百の本編の裏とりが出来なかったので(笑) (2020年1月27日 17時) (レス) id: b42bdaf0d2 (このIDを非表示/違反報告)
ミズ ミズ(プロフ) - 凛音さん» ありがとうございます!巳波くんですか(汗)他落ちが話一辺倒な気がして、偏ってるなと反省途中なので、巳波くんside主体で、他が落ち着いてからで、どうでしょうか(^^ゞ (2020年1月27日 17時) (レス) id: b42bdaf0d2 (このIDを非表示/違反報告)
凛音(プロフ) - 頑張ってください!面白いです! 個人的に棗巳波くん落ちもみたいです!笑 (2020年1月27日 13時) (レス) id: 39bb781660 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:miz | 作成日時:2019年2月27日 8時