台本にない ページ9
千を好きだと気づいた。
でもRe:valeの夫婦漫才や、それに対するツッコミとかも何ら変わることはなく、あっという間に千とのキスシーン撮影の日になった。
千は諦める宣言をしてから、必要以上に近寄ってこない。
百と私が両思いで付き合ってると思ってたから、それだけは百と一緒に否定しておいたけど。
キスシーンの後に私が嬉しそうに笑ったら抱きしめられて、告白される。
それに私もと答える。
そんなシーン。
バックはクリスマスイルミネーションだ。
ドラマのラストシーン。
形だけの気持ちのないキス。
でも、千が初めてならいいや。
すんごい緊張するけど。
監督のスタートの声に千が私の頬を包む。
・
そっと千の顔が近づく。
静かに目を閉じた。
少しして唇が離れて目をそっとあける。
嬉しそうに微笑む。
大丈夫。
千のこと、好きだから。
この笑顔で伝わればいいな。
そう思ってると、千が目を見開いた。
ん?台本にない。
この後抱きしめるよね?
一瞬の戸惑いの後、何故かまたキスされた。
【えっ!?何で・・・・・・】
離そうとするけど、撮影中だった。
『・・・っ』
やっと離れると抱きしめられた。
「・・・好きだ。」
【あ、台本通り・・・】
ホッとして私も千の背中に手を回す。
『私も・・・』
・
「はい!OK!良かったよー2人共!」
監督の声に、千が私から離れて監督の方へ向く。
「ありがとうございます。アドリブ平気でしたか?」
「良かったよ!千くんの役が、本当にAさんの役の事を好きになったのが凄く伝わった。脚本家さんにもOKもらえるよ!」
「良かったです。」
千を見る。
顔は見えない。
結んだ髪の毛の横に見える耳が、赤いのだけが認識できた。
・・・絶対に私も顔が赤い。
こんな顔、千に見せられない。
「じゃあ他のシーンいこうか。」
監督の言葉にスタッフがセットを変える。
千が振り向いて、私の横に来て言った。
「僕、謝らないから。」
思わず千を見上げる。
「やっぱり諦めなくてもいい?」
困った様に笑う千。
・・・・・・うわ、嬉しい。
ドキドキする心臓と自分の気持ちを隠すように千から目をそらす。
『・・・っ勝手にすれば?』
「うん。ありがと。」
千は私の頭をポンと触って監督の所へ戻る。
あれ?でも待って。
諦めなくていいって、今までの迫り方がまたあるってこと!?
え、千のこと好きって気づいた今、あれに私耐えるの!?
無理無理無理!!
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ミズ ミズ(プロフ) - 凛音さん» ZOOL(こう打ちしか出来なくて申し訳ないです(>_<)の中では誰が、というのは特になかったんですけど、了さん側の裏を書いてると、私の中では普通に、巳波くんが絡んできたのでww2月後半か3月になるかと思いますけど、よろしくお願いします! (2020年1月29日 21時) (レス) id: b42bdaf0d2 (このIDを非表示/違反報告)
凛音(プロフ) - 大丈夫ですよ! 楽しみにしてます!ŹOOĻの棗巳波にハマってしまったのです。 (2020年1月27日 21時) (レス) id: 39bb781660 (このIDを非表示/違反報告)
ミズ ミズ(プロフ) - 凛音さん» ちなみに、ベースは書いてます。でないと、百の本編の裏とりが出来なかったので(笑) (2020年1月27日 17時) (レス) id: b42bdaf0d2 (このIDを非表示/違反報告)
ミズ ミズ(プロフ) - 凛音さん» ありがとうございます!巳波くんですか(汗)他落ちが話一辺倒な気がして、偏ってるなと反省途中なので、巳波くんside主体で、他が落ち着いてからで、どうでしょうか(^^ゞ (2020年1月27日 17時) (レス) id: b42bdaf0d2 (このIDを非表示/違反報告)
凛音(プロフ) - 頑張ってください!面白いです! 個人的に棗巳波くん落ちもみたいです!笑 (2020年1月27日 13時) (レス) id: 39bb781660 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:miz | 作成日時:2019年2月27日 8時